最新型のシミュレーターで操船訓練を行う(男鹿市)

日本郵船と日本海洋事業(神奈川県横須賀市)が秋田県男鹿市に開設した洋上風力発電の訓練センター「風と海の学校 あきた」が24日、報道陣に公開された。世界標準の認証を取得した洋上風車技師向けや国際条約に基づいた船員向けの基本訓練を実施。最新型シミュレーターを使った作業員輸送船(CTV)の操船訓練も受けられる。

訓練センターは県立男鹿海洋高校の施設と旧男鹿市立船川南小学校の一部を活用して整備した。受講者は初年度に100人程度を見込み、2030年をめどに年間1000人以上を目指す。県や同高校とも協議し24年度中に授業でシミュレーターを活用できるようにするなど、洋上風力に関わる人材育成にもつなげる計画だ。

コンテナを船上に見立て消火訓練を行った(男鹿市)

センターでは、国際条約「STCW」に基づき船上で火災があった場合など危機への対処法を訓練。消火器具や防火装具の扱いも実地で学ぶ。この日は船内に見立てたコンテナが出火したと想定し、消火訓練を行った。

欧米の風力発電機メーカーなどで組織する非営利組織「グローバル・ウインド・オーガニゼーション(GWO)」が定める洋上風車技師向けの訓練もある。プールでは風車の基礎部分に移乗するときの安全装具の使用法、CTVに見立てたボートから移る訓練、海中に転落した場合の対処法も学ぶ。

CTVは技師や保守に必要な機材などを洋上の風車まで運ぶ輸送船。最新型のシミュレーターは天候や時間、波の大きさ、潮の流れなどを設定でき、実際の操船感覚を養えるようにする。

訓練センターは日本郵船と日本海洋事業が出資した秋田オフショアトレーニングセンター(男鹿市)が運営する。日本郵船がプロジェクト全体を統括し、CTVなどの操船訓練を担当する。日本海洋事業は風車技師らの訓練を担う。

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