東京電力福島第1原発2号機で17日、溶融核燃料(デブリ)の取り出し装置に付いたカメラの映像が写らなくなり、同日予定していた、装置の爪でデブリをつかむ作業は実施できなくなった。複数の関係者が明らかにした。デブリ取り出しは2011年3月の事故後初めて。廃炉に向けた重要工程だがトラブルが相次いでおり、東電のさらなる信頼低下は避けられない状況だ。
デブリが残る原子炉格納容器内部は極めて放射線量が高く、作業は遠隔操作となるため、カメラ映像は不可欠となる。装置にはカメラが4台あり、東電はどのカメラで異常が起きたのかや、修理にかかる時間などを明らかにしていない。
デブリ取り出しは当初21年に開始する計画だったが、工法変更などで既に3回延期。今回取り出し作業自体が延期となれば、4回目となる。
東電の計画では、格納容器の貫通部から最長22メートルに伸びるパイプ式の装置を差し込み、先端の爪形の器具でつかんで採取する。東電は14日以降、先端から器具を垂らしたり、カメラの動作確認をしたりして、17日の作業に備えていた。
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