エヌビディアはGPU運用の効率化をめざしている(5日、米西部カリフォルニア州の本社)

【シリコンバレー=清水孝輔】米半導体大手エヌビディアは24日、人工知能(AI)のデータ処理を効率化するソフトウエアを手がけるイスラエル新興のランエーアイを買収すると発表した。米メディアなどによると買収額は7億ドル(約1100億円)。エヌビディアは買収を通じて顧客企業の画像処理半導体(GPU)運用を支援する。

ランエーアイは2018年にイスラエルのテルアビブ大学の研究者らが設立した。AIのデータを処理する際の計算リソースの配分を調整するソフトウエアを手がける。エヌビディアとは20年から協業してきた。

エヌビディアはすでにランエーアイのサービスをGPUを運用するための自社のソフトウエアに組み込んで提供している。エヌビディアは24日、当面は従来通りランエーアイのソフトウエアとして提供を続ける方針を示した。

AIのデータ処理はクラウドや端末側、オンプレミス(自社所有)のサーバーなどに分散している。エヌビディアは主にデータセンターでAIのデータ学習などに使うGPUで高いシェアを持つ。GPUの導入から運用まで支援して利用拡大を促す狙いがある。

米メディアはエヌビディアが別のイスラエルの新興企業の買収も決めたと報じている。エヌビディアは20年にはイスラエルの同業メラノックス・テクノロジーズを70億ドルで買収した。イスラエルにはテクノロジー企業が集積し、AI関連の新興企業も多く生まれている。

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