老化細胞は分裂を繰り返したり、遺伝子の損傷が積み重なったりして増えなくなった細胞で、加齢に伴って蓄積し体の衰えや糖尿病などの病気につながるとされています。

順天堂大学の南野徹教授らのグループは、糖尿病の治療薬「SGLT2阻害薬」を使って老化細胞を取り除く動物実験に成功したと5月に発表していて、人での効果を確かめる臨床研究を行うため、来週にも学内の倫理委員会に申請する方針を固めたことが分かりました。

計画では、65歳以上の糖尿病などの患者50人をこの薬を投与するグループとしないグループに分け、安全性に加え細胞の遺伝子の損傷の状況を調べて老化の程度に差が出るか確認するということです。

順調に進めば、来年度中に最初の患者への投与を始めたいとしています。

老化細胞をめぐっては、2011年にこの細胞を取り除いたマウスで加齢に伴う症状に効果があったという実験結果がアメリカから報告されて以降、細胞レベルでの若返りを目指した研究が国内外で進んでいます。

南野教授は「健康寿命を延ばすという目標に向けて安全性に気をつけながら研究を進めたい」と話していました。

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