国立天文台の三好真助教(電波天文学)らが、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール「いて座Aスター」を観測した国際研究チームのデータを再解析した結果、公表されている形とは異なり、ゆがんだ円盤形をしていることが分かったと25日発表した。国際チームは2022年に、暗いブラックホールを明るい部分が縁取るリング形の画像を公開していた。
異なる画像となったことを巡り三好氏は「活発な議論を通じて、より確かなブラックホールの姿が明らかになる」と話している。成果は英王立天文学会誌に掲載された。
三好氏らによると、新たな画像は一方向に引き延ばされた円盤形。明るさには偏りがあり、周囲のガスが吸い込まれてできる「降着円盤」が高速で回転している影響とみられる。またブラックホールは中央からずれた場所にあるとみられる。
データは、南米チリや欧州、南極など6カ所8台の望遠鏡を連携させた地球サイズの仮想望遠鏡で17年に観測されたもの。周囲のガスが吸い込まれる直前に出る電波を捉えた。(共同)
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