財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は1日の分科会で、経済安全保障の観点から重要性が高まる半導体産業支援について議論した。補正予算を編成するたびに半導体基金の新設や積み増しを行う場当たり的な対応を改め、中期の支援戦略が不可欠だと指摘。政府が複数年度にわたり効率的な資金供給を行うよう提言した。
米中対立などを背景に日本が過去3年間の補正予算に計上した半導体支援額は約3.9兆円で、米欧より手厚いとされる。分科会の増田寛也会長代理は、会合後の記者会見で「政府が半導体支援の基本原則をつくり、対象事業に優先順位を付けたり、第三者による効果検証を導入したりすることも必要だ」と語った。
日本はかつて半導体で世界シェアの半分を占めたが、国際競争に敗れ、現状は1割程度にとどまる。会合では委員から「国が中期で支える姿勢を明確にすることで民間投資の呼び水にすべきだ」「投資の失敗を回避するため、第三者による事業計画や支援効果の検証が重要だ」といった意見が出た。
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