米大統領選で勝利した共和党のトランプ前大統領が今年10月、ポッドキャストの番組内で、東京電力福島第一原発事故に触れ、「3千年はその土地に入ることができない」と発言した。このことについて、内堀雅雄・福島県知事は11日の定例会見で、「どのような真意で発言されたのか十分に理解することができなかった」と述べた。
トランプ氏の発言は大統領選期間中の10月末、ポッドキャスト「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」に出演した際に、原子力政策について意見を交わす中で飛び出した。8月には実業家のイーロン・マスク氏と対談した際にも同様の発言をしている。
内堀知事は会見で、トランプ氏の発言を原文で確認したとした上で「政府と東電において、国内外に対する正確な情報発信にしっかりと取り組んでいただきたい」と語気を強めた。
内堀知事は12日で、就任から10年を迎える。「あっという間だったという思いと、中身が濃縮した充実した内容の濃い10年間だった」と振り返った。
東電福島第一原発の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しや、処理水の海洋放出、原発事故で発生した除染土の中間貯蔵施設からの県外搬出の期限が2045年3月となっていることをあげ、「この先の道のりはまだ長い。(復興に向け)これからも長く厳しい闘いが続く覚悟を持って臨む」と話した。
現在3期目で、4選を目指すかと問われ、「福島県の復興と地方創生を進めるために一日一日を大切に、自分の力を最大限尽くしていく」と述べるにとどめた。(滝口信之)
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