自治医科大(栃木県下野市)は14日、総合医学第2講座の准教授が責任著者となり2023年4月に発表された論文について、准教授による特定不正行為(捏造(ねつぞう))があったと発表した。
論文は心臓の筋肉の機能について調べた内容。23年7月、異なる実験の結果を示すはずの画像に同じ画像が使われているとの指摘が外部のウェブサイトにあり、大学が外部有識者3人を含む調査委員会を立ち上げて研究不正にあたるかどうか調べていた。
その結果、准教授の実験ノートには実験の1次記録が乏しく、画像の分類や保存もずさんで、どの画像がどの実験の結果かを把握できていないものもあった。
調査委は、悪意のない過失の可能性を否定できないとしつつ、疑いを覆すデータが存在しないとして、捏造だと結論づけた。大学は今後、処分を検討する。
大学は研究者としての基本が守られていなかったとして、「誠に遺憾であり深くおわび申し上げる。研究倫理の一層の徹底を図り、再発防止に努める」とコメントを出した。(竹野内崇宏)
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