原発の運転で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選びをめぐり、原子力発電環境整備機構(NUMO)は22日、第1段階の「文献調査」が2020年から全国で初めて行われていた北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村の両町村長、道知事に調査報告書を提出し、公表した。寿都町の全域と神恵内村の一部が、試掘などをする第2段階の「概要調査」の候補地とされた。

 報告書案は今年8月の経済産業省の審議会で了承されていた。NUMOは今後、両町村や道内各地で住民説明会を開く。また来年3月5日までホームページなどで意見を募っている。

 両町村長は今後、住民投票などで意見を聞き、概要調査に進むかを判断する。一方で鈴木直道知事は、核のごみを「受け入れがたい」とする道の条例などを根拠に一貫して反対しており、22日のNUMO側との面会でも「反対の考えに変わりはない」と明言。概要調査に進むには知事や両町村長の同意が必要で、見通しは立っていない。(上地兼太郎)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。