明治大学発のベンチャー企業「ポル・メド・テック」や鹿児島大学と京都府立医科大学などのグループは、腎臓を取り除いたサルに、特殊なミニブタの腎臓を移植する手術を行ったと発表しました。

移植に使われたのは、アメリカの企業が開発した、ヒトへの臓器移植を想定して拒絶反応が起こりにくいように遺伝子操作されたブタの腎臓です。

24日、鹿児島大学で行われた移植手術の結果、その日のうちに移植された腎臓を通じて尿が排出され、血流も確認できたということで、グループは「サルの体でブタの腎臓が機能したことが確認された」としています。

研究の代表者を務める鹿児島大学の佐原寿史教授は「サルに移植する研究を着実に進め、異種移植の実用化につながる道筋を切り開きたい」とコメントしています。

また、ポル・メド・テックは「異種移植のためのドナーとなるブタを安定的に供給できる体制を整えることができたと考えている」とコメントしています。

ブタの臓器をヒトに移植するなどのいわゆる「異種移植」の研究は、移植医療での臓器の不足を背景に世界各国で進められていて、アメリカではすでに試験的にヒトへの移植が行われているほか、日本でも東京慈恵会医科大学などのグループによる胎児への腎臓の移植を目指す研究や、国立国際医療研究センターなどのグループによるすい臓の細胞の移植を目指す研究が進んでいます。

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