ITER計画は、日本のほか、アメリカやEU、中国、ロシアなどが参画し、核融合の実験炉を共同で建設、運営する国際プロジェクトで、2007年からフランス南部で建設が進められています。
26日は、運営するITER機構のピエトロ・バラバスキ機構長が阿部文部科学大臣と面会し、先週開かれた理事会で来年に予定していた運転開始を9年延期し、新たに2034年を目指すとする工程の見直しが了承されたことを報告しました。
工程の延期は、コロナ禍の影響などによる建設の遅れが原因だとしていて、これにより、50億ユーロ=日本円で8000億円余りの追加コストが想定されるとしています。
日本はこのうち9.1%を負担することになっています。
核融合発電は、二酸化炭素や高レベルの放射性廃棄物を出さないエネルギー源として、近年、開発競争が過熱していて、アメリカでは民間企業への投資が集まっているほか、中国は単独で実験炉の建設を始めています。
会談のあと、バラバスキ機構長は「世界各国で民間などによる核融合の研究開発が立ち上がっているが、ITERがこれまで培ったノウハウを共有して核融合の実現を果たしたい。そのためにも日本には若い世代による人的貢献やサプライチェーンを始めとする産業界からの貢献を期待したい」と話していました。
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