半導体を電子部品に組み立てる後工程の世界大手、米アムコー・テクノロジーは28日、国内初の研究開発拠点を2025年4月に福岡市に設けると発表した。投資額は最大で10億円ほどを見込む。国内拠点に散らばる人員を集約して研究開発力を高める。韓国の研究開発拠点など海外との連携も図る。
市内のビルに入居する。広さは1063平方メートルで、半分ほどをクリーンルームとする。人員は50人程度。どのような装置を導入するかは検討中としている。市場動向次第で将来の拡張も検討する。
新拠点では電力制御につかうパワーモジュール(複合部品)やイメージセンサーといった、自動車向け半導体の後工程の先端技術や量産技術、材料に関する基礎開発などを手掛ける。現在アムコーの研究開発の中心となっている韓国との連携も見据える。
アムコー・テクノロジー・ジャパンの川島知浩社長は「日本で開発した内容をアムコー全体に展開していく」と話す。
アムコーは後工程の受託で、台湾の日月光投資控股(ASE)に次いで売上高世界2位につける。10月にはウエハーに回路を形成する前工程大手の台湾積体電路製造(TSMC)と協業し、米アリゾナ州で半導体の先端パッケージング工程を手掛けると発表した。
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