3月に延伸開業した北陸新幹線の敦賀駅から約2キロにある「中池見(なかいけみ)湿地」(福井県敦賀市)。ラムサール条約に登録され、「日本一新幹線駅から近い条約湿地」とも呼ばれる。
自然保護に取り組むNPO法人「中池見ねっと」によると、湿地は土地の隆起でできた池に、枯れた植物などが泥炭として積み重なることで形成された。87ヘクタールの登録地内に4000種以上の生物が確認され、トンボだけでも73種と日本有数の生息地になっている。
北陸新幹線は一時、湿地の一部を横切る計画だったが、自然保護団体などが反対。登録地内の山をトンネルで通るルートで完成した。ただ、一部の沢で水量が減少するなど影響が出ており、鉄道・運輸機構は代償措置として、過去に別の事業者が盛り土をした一部の湿地を復元する予定だ。
同NPOの上野山雅子(のりこ)代表理事(61)は「市外の人が訪れることで、地元の人もその価値に気づけると思う」と期待する。4日は「みどりの日」。【渡部直樹】
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