毎年夏に開かれる「山形花笠まつり」で使われる手編みのすげがさは、およそ9割を山形県飯豊町の農家で作る組合などが生産していますが、後継者不足で、編み手の人数が20年前の6分の1にあたる5人にまで減少しています。

このためことしは注文に供給が追いつかず、およそ4000個の注文のうち、1000個を断らざるをえず、まつりの存続が危ぶまれる事態となっていました。

このため、花がさの販売元となっている山形市内の民芸品会社では、JETRO=日本貿易振興機構に仲介を依頼し、ベトナム北部のビンルック郡の責任者と現地生産を行うことで合意したことが分かりました。

ベトナムでは、以前からヤシの葉で日よけのかさが作られていて、かさ作りのノウハウがあるということで、年内にも現地に出向いておよそ200人の作り手に花がさの編み方を伝えながら、来年8月の祭りに向けて2000個を目標に生産する計画です。

販売元の逸見良昭社長は「東北を代表する夏祭りを守っていく必要がある。ベトナムでは農作業用のかさを作っていて、品質的には同じものができると判断した」と話していました。

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