民間による月探査計画「HAKUTO―R」を進める日本の企業ispace(アイスペース)は7日、今年冬に打ち上げ予定の月着陸船で、275の言語を記録したメモリーディスクを月面に送ると発表した。言語の多様性の維持と文化財の保護をめざす国連教育科学文化機関(ユネスコ)に協力する。
同社によると、パリのユネスコ本部で6日に開かれた会議で決まった。今後予想される気候変動や自然災害などの危機で言語が失われてしまうような事態に備え、言語の多様性を残す方法の一つという。
メモリーディスクはユネスコと米企業が共同開発した。ユネスコ憲章の前文のうち、言語の多様性や文化を保護することの重要性について書かれた部分の文章が、275の言語に翻訳されて記録される。
ispaceは民間初の月着陸をめざしたが、打ち上げた着陸船は2023年に月面に衝突。今年冬に予定する打ち上げでは、月面で水素と酸素をつくる装置を着陸船に搭載する計画だ。将来は月面での資源開発やビジネスの窓口となることをめざしている。(佐々木凌)
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