熊本大学はTSMC進出を受けて半導体人材育成を加速している(熊本市)

熊本大学は8日、2025年春に半導体の高度人材などを育てる大学院「自然科学教育部 半導体・情報数理専攻」を設置すると発表した。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県菊陽町で国内第1工場をすでに開所しており、第2工場の建設も表明している。小川久雄学長は「大学院について先に明らかにすることで、チャンスを狙っている学生を呼び込みたい」と語った。

大学院自然科学教育部は、修士課程が入学定員120人で博士課程が同22人を予定。半導体システムと情報数理に関する知識や技術を身につけ、地域社会や国際的に活躍する高度な専門性と研究能力を備えた人材を育てることを目指す。

熊本大学大学院の半導体人材育成について記者会見する小川学長(8日、熊本市)

TSMCや台湾の大学など国内外の企業や教育機関とも幅広く連携する。事実上の「半導体大学院」と呼べる陣容となっている。

計画では今年7月中旬に募集要項を公表し、夏場に一般や推薦の入試をして10月をメドに合格発表をする。また半導体と違う分野の勉強をしてきた学生も積極的に受け入れ、半導体に関する基礎学力を補足するためのリメディアル教育系科目も提供するとしている。

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