水俣病の患者・被害者団体との懇談で環境省がマイクの音を切った問題で、伊藤信太郎環境相は9日、懇談を再設定すると参院環境委員会で明らかにした。8日に熊本県水俣市を訪れて問題を謝罪した際、団体側からは懇談の場の再設定を求める声が出ていた。
「水俣病患者連合」副会長の松崎重光さん(82)らに陳謝した際、団体側は、5月1日の慰霊式後に開かれる環境相との懇談の「形骸化」を指摘。その上で「場は設けて頂けますか」と患者連合事務局の永野三智さんが問うた。伊藤環境相が「努力します」と2回答えると、永野さんは「大臣が決めていいんですよ。そういうお立場なんじゃないんですか」。伊藤環境相は「設けます」と応じた。
9日に懇談の再設定が発表され、松崎さんは「マイクはいらんので、ひざをつき合わせて心通わせられる話ができれば」と話した。
8日に市内で6団体に謝罪した席では、団体側から「3分で思いは語れない」などの声が上がり、伊藤環境相は「大臣、副大臣、政務三役などあらゆる機会で話を聴くことが必要」と答えていた。(田中久稔、今村建二)
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