米ミシガン州のダムにできたPFASの泡=ロイター

クレハは10日、発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を無害化する技術を持つ米スタートアップの米クラロス・テクノロジーズに出資すると発表した。光反応を使って二酸化炭素など無害な物質に分解する技術を持つ。フッ素を使った化学品の安全利用に向けて日本やアジアでのサービスの導入を目指す。

出資額や出資比率は非公表。同社はPFASのうち、有害性が指摘されている低分子の化学物質を光反応を使って分解する技術を保有する。従来は工場廃水から吸着した化学物質を焼却して処理する必要があったが、無害な無機フッ素や二酸化炭素などに分解できれば、吸着後の後処理が不要になる。

PFASは半導体や電気自動車(EV)の製造に使われる。ただPFASの一部は環境や人体への影響が指摘されている。有害なPFASの使用は既に日本などで使用や製造が規制されているものの、フッ素化学品を製造する工程で副生されることがある。クレハは、有害なPFASによる環境汚染などを防げるサービスとして需要が高まるとみる。

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