科学技術振興機構(JST)と駐日ポーランド共和国大使館は23日、国際的に活躍が期待される若手女性研究者に贈る「羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)」の第3回最優秀賞に東京大学の森脇可奈助教を選んだと発表した。宇宙が始まった頃の様子を詳しく知るための観測方法を世界で初めて提案するなど、独創性の高さを評価した。
賞に協賛する日本電子が最優秀賞の森脇氏に賞金100万円、奨励賞の2氏に各50万円を贈る。
キュリー賞はポーランド出身でノーベル賞を2度受賞したマリア・キュリーにちなむ。日本の女性研究者の活躍を後押しすることを目的に2021年、JSTとポーランド大使館が共同で創設した。博士号取得から数年以内までの女性研究者を対象に、優れた研究成果を上げて国際的に活躍が期待される人を表彰する。
森脇氏は宇宙物理学が専門で、銀河の形成や進化の仕組み、宇宙論などを研究する。これまで初期の宇宙の構造を詳しく知るには、宇宙にある水素の出す光の観測が重要だとされてきた。森脇氏は水素に加えて酸素の出す光も観測する重要性を世界で初めて指摘した。
遠く離れた銀河を機械学習によって効率的に探す手法も提案し、国際的な研究プロジェクトの発足につながった。22年に東京大学の博士課程を修了し、同年から同大助教を務める。
奨励賞には有機化学を専門とする近畿大学の太田圭助教と、生物統計学が専門のカナダ・トロント大学の三谷綾助教が選ばれた。
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