「百害あって一利なし」とまでは言い切れないが、大手広告代理店による多額の賄賂のやりとりが発覚した東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件などを思い返せば、スポンサー企業として終止符を打つのは妥当な判断と言えるだろう。
トヨタ自動車が、国際オリンピック委員会(IOC)と結んでいる最高位スポンサー契約について、7月26日に開幕するパリ五輪を最後に終了する方向で調整しているという。
5月25日付けの東京朝刊などが「トヨタ五輪協賛終了へ、契約満了、パリ大会最後に」などと報じていた。それによると、トヨタは2015年に、自動車業界初の「最高位スポンサー (通称TOP)」として、2024まで活動する契約をIOCと締結。1業種1社に限定され、夏季と冬季の五輪で、五輪マークを使用した宣伝活動を展開できるほか、大会に自社製品を優先的に納入できるという特権が与えられている。2か月後に開催のパリ五輪では、トヨタは燃料電池車の『ミライ』500台をはじめ、2600台以上の電動車を提供する予定という。
一方で、コロナ汚染と汚職の中で、強引に開かれた東京大会では、五輪関連のCMの放送を中止したほか、選手村で運行した自動運転のEVバスによる予期せぬ接触事故も発生。自動運転に対する負のイメージも大きく、スポンサーへの批判も多かったことからも「一定の役割を終えたと判断したとみられる」(東京)とも伝えている。
IOCと最高位スポンサー契約を結ぶのは現在、コカ・コーラやインテル、サムスン電子など15社が名を連ねている。日本企業ではトヨタのほか、パナソニックホールディングス(HD)とブリヂストンも含まれており、その両社とも今年で最終契約年ということから延長するかどうかの判断も気になるところだ。
2024年5月27日付
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