5月9日〜11日に開催された「ジャパントラックショー2024」。三基(さんき)は三重いすゞ自動車などと共同開発した、いすゞギガ専用の「半完成ボディ」を出品した。この半完成ボディ、一体どんなものなのか?

文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部

オーダーメイドの平ボディの短納期化に挑戦

三基の半完成ボディ。トラックは半完成ボディを搭載するデモカーで、荷台に載っているのが半完成ボディ本体となる

 三基は三重県四日市市の運送会社で、「つくりボディ」と呼ばれるオーダーメイドの平ボディを保有する。つくりボディは、地方の架装メーカーが減少し、職人も不足していることから納期の長期化が課題となっている。半完成ボディは、このつくりボディの短納期を目指して開発されたもの。

 同社・谷口浩通代表取締役は「つくりボディの量産化を目指したい」と、今後の展望を語る。

 半完成ボディは、平ボディの基礎骨格部分(縦根太、横根太、台枠)および前壁部分(鳥居)を「最初から組み立てた状態」で販売するもの。つくりボディはこれらの部分をイチから設計してつくるので時間がかかるが、固定仕様の半完成ボディなら納期を短縮可能。納期はつくりボディの約半分も可能という。

 開発は三重いすゞ自動車などと共同で進められ、基礎骨格部分はつくりボディを得意とする地元の架装メーカーと共同開発。平ボディは工作機械などの重量物を運搬することもあるため、パイプの厚み増しや横根太の本数増しをした上でPCソフトや実車での強度解析、荷重試験を行ない品質を確認しているそうだ。

 シャシーにボルトオンで固定でき、固定した状態で全長/全幅が上限(全長12m/全幅2.5m)に収まるよう設計。想定荷台内長は9600mmで、左右アオリは逆段丁番とすることで内幅は2400mm。単体重量は約1600kgで、フル架装後の最大積載量は13500kg前後を予定している。

 各種フックやスタンション穴、サイドバンパーブラケットなどは標準装備で、一部スタンション穴は事前の位置変更や増設が可能。あとからの形状変更ができるよう、鳥居は別体構造を採用し、架装時に基礎骨格部分にボルトオンで締結するようになっている。

 なお、半完成ボディは全体を溶融亜鉛メッキ加工しており、高い防錆性能を誇る。鳥居が別体構造なのは、鳥居と基礎骨格部分を合体させた状態で入れられるメッキ槽が存在しない、という事情もあるそうだ。半完成ボディは三重いすゞ自動車を通じて販売されるが、他社シャシーへの対応も含めて、今後の展開に注目だ。

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