ここはアメリカのどこか!? 静岡県富士宮市の朝霧ジャンボリーオートキャンプ場で5月26日、「The SUBIE」が開催され、北米仕様にカスタム化したスバル車を中心に約160台が集まった。
日本ではスバル車に乗る人たちが「SUBARIST(スバリスト)」などと言われるように、アメリカでは「SUBIE(スビー)」と呼び、マニアックな愛好家がたくさんいる。そうした本格的な北米仕様にモディファイしたスバル車と他メーカーの仲間の輪を広げ、交流を深めようというイベント。今回で4回目の開催となった。
こうして富士山の裾野に集まったのはスバル車100台と他メーカー50台、それに特別枠として10台の、計160台と過去最大規模となった。
参加車はすべて「USDM」=アメリカ仕様。USDMとは「United States Domestic Market」の頭文字を取ったもので、直訳すれば「アメリカ国内市場」。アメリカでの販売仕様にしたり、アメリカのパーツを使用したりしてカスタムする手法だ。本国で普通に使われているようなノーマル風や、ホイールやエアロパーツの交換やローダウンなど、幅広いカスタムが施される。また本物の逆輸入車も数多く集まり、なかなかの見ごたえとなった。
長野から逆輸入車の『アウトバック』2.5リミテッドで来たというファミリーは2回目の参加。奥さんが普段使いしており「見た目より大きく、ゆったり感があります」とお気に入りの様子。お父さんは「ここに来ると色んな人やクルマに会えます」と、こちらも同好の士たちとの交流を楽しんでいた。
珍しかったのは2代目の『ブラット』。『レオーネ』をピックアップスタイルのマルチパーパス4WDとした輸出専用車だ。この個体には「ハローツインルーフ(Halo Twin Roof)」と呼ばれるガラス製Tバールーフが装備されていた。大工さんだというオーナーは荷台にスクーターの『ラビット』を搭載して参加。あまり目にすることない2台に、他オーナーたちも興味深そうにカメラを向けていた。
このイベントは他メーカーの参加もOKというのが良いところ。7代目のトヨタ『カローラ』1300は、「裕福ではない日系人が庭先で修理したりいじったりしている車両をイメージして作った」という設定だ。運転席に座った、アメリカで人気だというNHKのマスコットキャラクター「どーも君」もゆるい雰囲気づくりを演出。オーナーは「こんなので申し訳ないなあと初参加しましたが、ここは面白いですね。来て良かったです」と嬉しそうだった。
また昨年に続いて「スバルレオーネ・オーナーズクラブ」から4台が特別参加。北米にスバルを根付かせた『ff-1』と『レオーネ』の四輪駆動車などが並んだ。ff-1のオーナーは「それぞれの夢やアメリカナイズされた生活感までプロファイリングされた小技大技が溢れていて、イベントコンセプトも最高すぎました」と感心していた。
前日からオートキャンプで参加したのは69台。途中から雨模様となったが、北米仕様らしいオレンジのサイドマーカーを全車点灯してのキャンプめしや語らいは、参加者の記憶に残るものとなった。
実はこのイベント、今回の第4回目をもって終了となった。レオーネバンをハワイ仕様の『ロイヤル』ワゴン風にカスタマイズした主催者の廣瀬真大さんは「恥ずかしげもなくコスプレもできるようなこともバンバンやって楽しみましょうとやってきました。ベテランさんが良い環境を作ってくれてビギナーさんたちも参加しやすくなり、徐々に口コミで広がってスビー以外の人たちにも楽しんでもらえたかなと思います」と感無量の様子。「認知拡大になり、やり切った感があります。一番良い思い出でやめることができました」。
退場する160台の1台1台すべてに声掛けをしながら主催者が見送った。コロナ渦の2021年から4年に渡って、素人ながらスタッフもしっかりと立ち働き、参加者にもその気持ちが伝わって気持ちの良い集まりとなった。参加者は家族連れも多く、穏やかでピースフルなイベントであった。
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