初代レガシィと聞くと、快速ワゴンとして名を馳せたツーリングワゴンをどうしても思い起こしてしまうのだが、あまり目立たないセダンもかなりしっかりと作り込まれたモデルであり、実はこっちのほうが本命だったりする?
文:ベストカーWeb編集部/写真:スバル
■10万km耐久テストやWRCグループAでの初優勝もセダンRSだった
1989年に誕生した初代レガシィ。そのボディラインナップはツーリングワゴンとセダンとの2本立てだったのは言うまでもない。しかも1966年登場のスバル1000から繰り返し改良を施しながら使ってきたプラットフォームを新規に専用設計し、気合いの入ったブランニューモデルとして誕生した。
エンジンにはフラッグシップとして水平対向2LDOHCターボのEJ20を投入。以後、2019年の先代型WRX STI特別仕様車「EJ20ファイナルエディション」まで30年間も現役で一線を張ることになった。
しかし、このEJ20ターボは実はセダンとワゴンでスペックが違っていた。ワゴンとセダンの双方に設定されたATのみの「GT」グレードでは最高出力200ps/最大トルク26.5kgmだったが、5MT車の設定があったセダンの「RS」系グレードには最高出力220ps/最大トルク27.5kgmとアップ。
そのうえ、1989年1月に米国アリゾナ州で当時、連続19日間で10万km耐久走行時の平均速度世界最高となる223.345km/hを記録したのもセダンのRSだった。また、WRCグループAで参戦していた1993年のラリーニュージーランドでのコリン・マクレーが初優勝を飾ったのもこのレガシィセダンRSだった。
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■スバルスポーツセダンの元祖!
初代レガシィセダンはボディサイズも全長4545×全幅1690×全高1395mm、ホイールベース2580mmと5ナンバーモデルのミドルセダンとしてほどよい大きさだった。全幅が3ナンバーサイズだった先代WRX S4の全長4595×全幅1795×全高1475mm、ホイールベース2650mmとさほど変わらない感じだ。
実は担当が1990年夏に普通免許を取得した際、当時の担当が初めてステアリングを握ったのが初代レガシィRSだった。スバル関連の中古車屋を経営している伯父がこのクルマに乗って遊びに来たのだが、そこで免許取得後初めてのドライブということに。
この時に体験したレガシィRSの鮮烈さはいまだによく覚えている。ちょっとアクセルを踏み込んでいけばロケットのごとき加速感が味わえ、若葉ドライバーには強烈すぎたし、ガッシリとしたボディの剛性感は乗っていて素人ながらわかるほどのレベル。
何しろシートの出来がしっかりとしていて非常によく、座り心地も快適そのものだった。何だか、免許を取って最初にこんなにいいクルマに乗っていいものなのか、と恐れ多くなったほど。
この時の原体験から「いつかはスバルのスポーツセダンに乗りたい!」と思い、2000年には3代目レガシィB4RSKを試乗し、見積もりまで取った。結局、最終的にはランエボVITMEを購入することになったのだが、現在乗っている先代WRX S4を選んだのも初代レガシィRSの影響があるのは間違いない。
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