アルファロメオ(Alfa Romeo)は4月15日、4月11日に発表したばかりのコンパクトスポーツカーの名称『ミラノ』(Milano)の使用が当局により禁止されたことを明らかにした。新たな車名は『ジュニア』(Junior)になる。
ミラノはアルファロメオのコンパクトカー市場への復帰であり、ハイブリッドとブランド初のフル電動仕様の登場で注目されていた。
◆創業の地へのオマージュだったが
「ミラノ」という名前は、1910年にアルファロメオの歴史が始まった都市に因んで選ばれたもので、消費者にも好評だった。
アルファロメオでは「ミラノ」という名前が全ての法的要件を満たしており、新型車の名前よりも重要な課題が政府にはあると信じているが、相互理解を促進する精神で「ミラノ」から「ジュニア」に変更することにした。
アルファロメオは、フィードバックをくれたファン、サポートを提供してくれたイタリアの販売店ネットワーク、新型車に注目してくれたジャーナリスト、そして議論を起こすことで無料の宣伝をしてくれた政府に感謝の意を表した。
◆ジュニアも人気で伝統の名前
アルファロメオのジャン=フィリップ・インパラートCEOは、「『ジュニア』という名前はブランドの歴史に深く根ざしており、車名検討の初期から候補リストの中にあり、自然なチョイスだ。名前を変更する必要はないのだが、アルファロメオの車はいつもポジティブな感情を生み出してきた。新型車もそうでありたいので、論争を避けるために変更を決定した。新型スポーツコンパクトカーは注目されており、ウェブサイトが数時間ダウンする事態に至った」と語る。
イタリア・アルファロメオ・ディーラー協会のステファノ・オドリチ会長は、「アルファロメオはポジティブな情熱を巻き起こすブランドだ。それはデイーラーに来る顧客の目を見れば明らかだ。『ミラノ』も『ジュニア』もブランドの歴史に根ざした美しい名前だ」と述べ、車名変更を歓迎する。
アルファロメオGT1300ジュニア◆最初のジュニアも若い世代にアピール
「ジュニア」という名前の起源は、『ジュリア』とそのクーペ仕様である『ジュリア・スプリントGT』が成功を収めた後、若い顧客層を新たに惹きつけるための新型車に付けられたのが最初だ。1966年9月に『GT1300ジュニア』が発表され、ヒット作「ジュリア」を名乗っていないにもかかわらず、アルファロメオ新世代のリーダーとなった。新型スパイダーレンジも同様に「ジュニア」を名乗るようになる。
主な機械的変更は、1290ccのツインカムエンジンの採用であり、89hpを発揮し、最高速度は170km/hを超え、1.6Lクラスのジュリアほとんど変わらない性能と運転の楽しさを提供したと評価される。ボディワークも専用のより若々しいトリムに更新された。GT1300ジュニアの販売台数は9万2000台を超え、ラインナップの中で最も売れたモデルとなり、当時のステータスシンボルとなった。
以来、「ジュニア」はエントリー仕様あるいは新規顧客獲得目的の特別仕様のサブネームとしてしばしば用いられるようになる。近年では『ジュリア』と『ステルヴィオ』に「GTジュニア」がそれぞれ設定されている。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。