日産自動車と日産自動車大学校がサポートするスーパーGT GT300の56号車。KONDOレーシングが走らせるリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが厳しい戦いを強いられている。厳しい性能調整はどうにからないのか……。
文/写真:ベストカーWeb編集部
■「予選結果は気にしないでレースにフォーカスする」
予選Q1から波乱続きだった。56号車はタイヤマネージメントもあり、予選ラップのタイミングもシビアに計算されていた。J.P.オリベイラ選手がアタックに入るラップに他車が前方でスピン。
まさかの黄旗で満足にアタックができないままQ1が終わってしまった。使い古された言葉だが「これもレース」。どうしようもないことは起きるものだ。予選は26位。
オリベイラ選手は1400kgに迫るGT-R GT3のBoPに苦言も呈しており、このレースフォーマットは改良の余地はありそうだ。サクセスウエイトはスーパーGTの魅力だが、マシンそのものの性能を調整することはSNSでも否定的意見が目立つ。
そもそもGT-R GT3の最低車重1285kgだが、速度抑制のウエイトが+52kg、そして性能調整(BoP)が+45kgに達しており1382kgの重量。97kgの錘を載せて走ればそのパフォーマンスはザックリ削られてしまうのは明白で、さらに前戦2位のハンディウエイト32kgもこれに加わるというから強烈だ。
もちろんルールだから仕方ないが、本来の「速さを競う」というレースの根源を考えるとちょっと違うような気もする。それでも佐々木大樹選手、オリベイラ選手のふたりとも「予選がダメな時もある。それを嘆くよりもレースに集中する」とコメントしていた。
記事リンク
前の記事ハンディなくても性能調整って……最終戦は予選大苦戦!! KONDO RACINGまたしても決勝最強伝説を生み出す【SUPER GT 56号車特集】
次の記事大健闘の2位獲得で本領発揮!! 「最強」GT-Rに「30kg減」の追い風よ!!! ノーミス激走の2位表彰台がスゴイ【スーパーGT 56号車特集】
■粘り強く決勝では16位を獲得
56号車には珍しくグリッドは最終コーナーが目前に迫る。ウォームアップ走行時には霧雨が降っていたものの、スタート進行時はすっかり晴天となっていた。雨雲レーダーとのにらめっこをするチームが目立った。
13時30分、レーススタート。ややもすると諦めモードになりそうなものだが、スタートドライバーのオリベイラ選手がグイグイ歩を進める。黒白旗が出るほどアグレッシブに走っていたが、ペナルティにはならずに佐々木選手にバトンタッチ。
こうなれば56号車のドライバーたちは淡々とミスせずゴールまで走り切る実力は充分。最後は16位でフィニッシュ。厳しいレースはシーズンには必ず1戦は起こる。どうしようもないときも、その時に最大のポテンシャルを残すこと。
その姿はやはりKONDOレーシングのプロフェッショナリズムを目の当たりにした気がする。このような一流のチームで学ぶことができる日産ディーラーのメカニック、そして日産自動車大学校の学生がいつもうらやましくなる……。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。