数千万円のクルマばかり並べているお店や、同じ車種ばっかり集めているお店など、街で見かけて「よくビジネスできるな?」と思うことはないだろうか? では、それらのお店はどうやってやりくりしているのか…。今回は東京都一等地で怪しいクルマばかりを並べているお店を尋ねてみた。
文・写真:小泉はつ
■白金の一等地にぽつんと佇む中古車屋さん
最近、スマホを使って車両の確認を行う中古車屋も珍しくない。スタッフが会話をしながらその場で顧客の見たい部分を、動画として見せるパターンだ。
そのため、東京の中心地で高い家賃を払って店舗を構えるメリットはどんどん減りつつある。しかし、この不思議なお店「高輪自動車」は2012年頃から現在の店舗で中古車ビジネスを続けている。
周辺を高層ビルに囲まれた白金で、平屋の中古車屋さんがビジネスをしている。通りかかった人はさぞ不思議に思うはずだ。
なぜなら立地だけでなく扱っている中古車のラインナップも奇妙なものばかりだからだ。人気の高い売れ筋モデルがないどころか「誰が買うのか?」というマニアックなクルマばかりが扱われている。
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■港区白金を選んだ理由は?
たまに定番モデルも扱うがそれは下取りなどでたまたま入庫したモデルで、代表の小林氏が選んで並べているわけではない。ではなぜこんなビジネスが成立するのか? そもそもなぜこの場所なのか? 代表の小林氏に尋ねてみた。
「良く聞かれるんですが、本当にたまたまなんです。学生時代を過ごしたぐらいしか縁もないんですが、独立してビジネスをする時にこの場所に店舗の空きが出ていて。かなり人気のだったらしいのですが、元から自動車関係に使われていた土地だったので、大家さんに自分が選ばれたんです」。
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■どんな変なクルマでも欲しい人はきっといる
しかし、あえて家賃の高いこの場所でお店を続ける理由はあるのだろうか。
「家賃のことも良く聞かれます(笑) でも、そんなに他と違いはないと思いますよ? そこまで広い訳でもないですし。お金にゆとりのあるクルマ好きの方がお客様の大半なので、そういう方とお付き合いする意味でも白金はいい場所なんですよね」
確かにお店には、およそ一般のお客さんが買いそうもない珍しいクルマばかりが並んでいる。通りかかったクルマ好きが立ち寄ることも多いそうだが、大半のお客さんは小林さんがセレクトするクルマのセンスに惹かれて長い付き合いをしてくれるようだ。
いわゆる「変わり者向けセレクトショップ」と言ったところか。
「クルマは大好きですし、販売するのはやっぱり好きなクルマがいいじゃないですか? 良く『やっていけるの?』と心配されますが、今のところは問題なく。どんな変なクルマでも、日本には3人はほしい人はいますからね(笑)」
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