一連の型式指定申請不正でマツダは記者会見を実施し、現行2車種、過去生産車3車種で不正があったと発表した。

文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ

■現行車種はロードスターRFとマツダ2が不正認定

吸気温度が実車以上に上がっていたことで、点火時期の制御をオミットすることで辻褄を合わせてしまった

 今回のマツダの不正はエンジン制御と衝突試験の2種類に及ぶ。まず現行車種についてはロードスターRFとマツダ2が対象になる。

「ガソリンエンジンの原動機車載出力に対する認証試験において、量産車両と同一状態のエンジン制御ソフトにより出力試験を行うべきところ、点火時期補正機能の一部を停止させた制御ソフトによる試験実績がありました」とマツダは発表した。

 走行風を再現した吸気温度での試験をすべきところを、吸気温度が高い状況でおこなっていた。本来であれば点火時期補正をすべき燃焼状態になっているにも関わらず、その機能をオミットしたソフトで試験を実施したという。ロードスターRFとマツダ2については当面の間は出荷停止となる。3500件の出荷待ちが発生する。

マツダにとってロードスターファミリーはブランドアイデンティティなのだが……

■過去生産車については衝突試験における不正

マツダの発表資料ではタイマー式の起爆装置を使用していた

 マツダによれば「前面衝突時の乗員保護に対する認証試験において、エアバッグを車載センサーの衝突検知による自然起爆ではなく、外部装置を用いて時間指定で起爆させた試験実績がありました」と発表した。

 つまるところ衝突時の衝撃検知によるエアバッグの展開ではなく、タイマーなどを使用して衝突時刻に展開させる試験を行っていた。2014年11月~2018年4月生産のアテンザ、2016年8月~
2019年2月生産のアクセラ、2018年4月~2024年4月生産のアテンザ/マツダ6になる。

 マツダの自社調査によれば今回の対象車種はマイナーチェンジ車のみであり、フルモデルチェンジ時に実施していた自然起爆方法が通過していれば法的にクリアしているという認識があったということだ。

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