音楽好きなドライバーなら、「愛車のサウンドシステムから聴こえてくる音の質をもっと良くしたい」と1度や2度は思ったことがあるはずだ。しかし、コスト面を不安視して二の足を踏んでいるケースも少なくないに違いない。当特集はそういった方々に向けて展開している。

◆「サブウーファー」の導入は案外低コストで実行可能! その割に音の変化幅が大きい!

当特集では、低予算で実行できる「サウンドアップ術」を毎回さまざま紹介している。今回は、「サブウーファー」の導入について解説していく。「サブウーファー」にもピンからキリまであるが、お手軽なモデルも多々ありそれらを導入してもガラリと音を変えられる。

具体的にいうと、オールインワンモデルが2万円台からある。そしてそれらは案外取り付け費用が少なくて済む。なぜなら、“改造”をせずとも取り付けられるケースが多いからだ。なので「スピーカー交換」と比べても、低コストですべてを完結できることも少なくない。

それでいて、音の変化幅は結構大きい。その最大の要因はズバリ、「ドアに取り付けられるスピーカーでは超低音のスムーズな再生が難しいから」だ。スピーカーは、振動板の口径が大きくなればなるほど低音再生が得意になる。しかしドアに取り付けられるスピーカーは大きくても17cmクラスが最大サイズだ。この程度の大きさでは物理的に、最低音域までをスムーズに再生しきれない。

しかし低音再生のスペシャリストである「サブウーファー」には20cm、25cm、さらにはそれより大きな口径のモデルもあり、これを使えば低域側の再生レンジがぐっと広がる。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(ケンウッド・KSC-SW30)。

◆ビートの効いた音楽でもクラシック音楽でも、「サブウーファー」の効果が顕著に出現!

かくして「サブウーファー」を導入するとそれまでは聴こえていなかった低音が聴こえてくるので、印象がガラリと変わる。

どのように変わるのかを詳しく説明していこう。まずはビートの効いた音楽で、バスドラムやベースの音がしっかり聴こえるようになり、そしてそれらの音が一層レスポンス良く快活に鳴らされることとなる。結果、ノリが良くなり音楽を一層楽しく聴ける。

また、クラシック音楽を聴く場合には臨場感がぐんと高まる。録音現場の空気感の再現性が相当にアップするからだ。

そうなるメカニズムは以下のとおりだ。例えばホールで録音された音源があったとしよう。ホールで音楽を聴くときには、会場内の残響音も多く耳に入ってくる。その残響音の多くは実は、超低音だ。音は音程が低くなるほど一波長が長くなる。で、ホールの中では一波長が短い音ほど減衰するのが早い。しかし一波長が長い超低音はホールの中で長く残る。「サブウーファー」を導入すると、それら残響音をしっかり再生できるようになり、臨場感がアップするのだ。

「小型・薄型のパワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WX400AS)。

◆狙うべきはリーズナブルな「小型・薄型のパワードサブウーファー」!

続いては、「サブウーファー」の導入を低コストで実行するためのポイントを紹介していく。

なお「サブウーファー」にはタイプ違いが大きく分けて3つある。「小型・薄型のパワードサブウーファー」、「ボックスサブウーファー」、「単体サブウーファー」、これらだ。で、低コストですべてを完結させたいと思ったら、狙うべきは「小型・薄型のパワードサブウーファー」だ。

というのもこれは、「サブウーファーユニット」とこれを組み付けるための「ボックス」、これを駆動するための「パワーアンプ」、これらが一体化している。なので製品コストがかかりにくい。

そしてシート下に収まるサイズのモデルを選べば、取り付けスペースが少なくて済む。で、シート下に取り付けられるとトランクの積載性をスポイルしないという利点に加えて、ケーブル類が短くて済むという利点も発揮する。その点でも取り付け工賃を抑制できる。

ところで超低音を鳴らすためには普通「パワーアンプ」が大きな電力を必要とすることとなるので、電源配線を車両のメインバッテリーから直接引っ張る「バッ直」という方法が実行されることとなる。しかし廉価な「小型・薄型のパワードサブウーファー」の中には、それをしなくても良いとされているものもある。そのようなモデルを選択すると、一層の低コスト化が実現できる。覚えておこう。

今回は以上だ。次回以降も低予算で実行できるシステムアップ術をさまざま紹介していく。お楽しみに。

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