オンロードもオフロードも、どちらもイケるユーティリティカーとして、トヨタSUVラインナップを支えるRAV4。多彩なラインナップと、魅力的な価格構成で人気で、現在4代目となるのだが、RAV4の歴史を遡ると初代と2代目に、現行型とは大きく違う特徴があった。そこで今回はRAV4の起源に迫る。

文:佐々木 亘/写真:トヨタ

■小さなボディに詰め込まれた大きな魅力

シティユースがメインにはなるが、十分なオフロード性能を備えているのもRAV4の魅力だ

 1994年に登場した初代RAV4。ボディサイズは現行型RAV4と比べものにならないほど小さく、全長3705mm×全幅1,695mm×全高1,655mmだった。3ドアのSUV(当時はRVと言った)で、乗車定員は4名である。

 今でいうライズよりも小さかった初代RAV4は、CMキャラクターに木村拓哉さんを起用したこともあり、RVのメイン客層ではない若年の女性にもヒットした。

 車両コンセプトは、「世の中に山ほどある楽しいことを堪能するための相棒」で、この辺りは現行型の4代目にもしっかりと引き継がれる、いわばRAV4のポリシーであろう。シティユースがメインにはなるが、十分なオフロード性能を備えているのもRAV4の魅力だ。

 これだけの小さなボディに、ハイメカツインカムの2.0Lエンジンを搭載する。足回りには4輪独立懸架サスペンションを採用。フロントはマクファーソンストラット、リヤはトレーリングアーム付きダブルウィッシュボーンだ。

■オフロードも日常用途も考慮された設計

 また、マニュアルミッション車にはセンターデフメカニカルロックを採用し、メーカーオプションでリアトルセンLSDを用意する念の入れ方。

 ショートボディと十分に確保された最低地上高のおかげで、オフロード走行に必要なアプローチアングルは39度、ディパーチャーアングルは43度、ランプブレイクオーバーアングルは31度を確保している。

 それでいて乗り降りしやすいフロントシートの高さを緻密に計算し、助手席側にはウォークインペダルとメモリー機能も採用。3ドアモデルでもリアシートに手抜きが無く、カップホルダーはあるし、リクライニングだってしてくれるのだ。もちろんシートの厚みや足元空間だって十分にある。

 爆売れしていたライズの雲行きが怪しい今だからこそ、RAV4のショートボディを開発しても良いのではないか。RAV4は、小さい中に溢れんばかりの大きな魅力を備えたクルマだった。

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■ソフトトップ採用? カラーバリエーションは800通りってマジか

ランクルのショートボディが出るとか出ないとか言われているが、その前にRAV4のショートボディの復活をぜひ!

 登場の翌年には5ドアを追加。さらに1996年にマイナーチェンジを行うと、リアシート上部がオープントップへ変わるソフトトップを追加した。

 さらに、RAV4の遊び心は、とどまるところを知らない。パーソナルセレクションと銘打った、カラーオーダーシステムを採用したのだ。

 ボディカラーはモノトーンとツートーンを合わせて40種類、インテリアカラーは20種類を用意した。その組み合わせは全部で800通りとなる。特にインテリアカラーで4座席それぞれの色が違うケースや、4座の背面と座面を色分けしたタイプなど、今は絶対に作らないパターンを用意しているのがイイ。

 大衆には選ばれないとは思うが、個人的には好んで選びたいくらいの奇抜なものも多かった。

 ランクルのショートボディが出るとか出ないとか言われているが、その前にRAV4のショートボディの復活をぜひ! RAV4の原点回帰として、短いヤツが遊び心満載で出てきたら、トヨタSUVラインナップに死角はゼロとなるだろう。

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