ホンダは6月13日、新型軽商用EV(電気自動車)『N-VAN e:』を10月10日に発売すると発表した。価格は243万9800円から。ホンダは2026年までに日本でEV4機種を投入する計画で、N-VAN e:はその第1弾となる。

ホンダの統合地域本部日本統括部の高倉記行統括部長は同日の発表会で「日本のホンダのEV化を本格始動させるにあたり、これまで多くのお客様の生活を支え、そして育てて頂いたNシリーズの中から、N-VAN e:を発表する。さらに日本市場における電動化をリードするべく今後のモデル展開については、2025年には軽乗用EVを、2026年以降にはSUVタイプを含む小型EV2機種を発売していく」と述べた。

またN-VAN e:の価格に関して高倉統括部長は「2023年度補正予算による事業者用補助金を適用頂くと全グレードで200万円を切るお求めやすい価格を実現することができた。またCEV(一般使用)補助金についても軽自動車の最大補助額を獲得するので一般の使用用途でも大変にお求めやすくなっている」と説明。

その上で「公的な補助も活用頂いて軽自動車の量販価格帯でのご提供を実現することで着実にEVの普及に貢献していく。今後もホンダ全車で年間70万台を安定的に販売する中、EVラインアップの拡充にも積極的に取り組む」と強調した。

軽商用EVでは三菱自動車『ミニキャブEV』を始め中国メーカー製もすでに先行しているが、高倉統括部長は「日本はいよいよEV、電動車の普及が黎明期に入ってきたとみており、絶妙なタイミングでEVのラインアップを拡充できると考えている。しっかり売って我々としてのプレゼンスを一気に高めていきたい」と巻き返しに自信をのぞかせた。

2023年9月の事前告知でN-VAN e:の航続距離はWLTCモードで210km以上を目標に開発しているとしていたが、開発責任者を務める坂元隆樹氏は「航続距離はWLTCモードで245kmと競合他車に対して競争力のある性能を実現している。普通充電6.0kW、急速充電50kWに対応している。バッテリー容量は29.6kWhで、普通充電は4.5時間、急速充電80%まで30分と利便性を追求した」と語る。

さらに坂元氏は「環境に優しいクルマを開発するにあたり材料でも貢献できないかと考え、リサイクルバンパー材でこれまでにないチャレンジを行った」と明かす。

坂元氏によると「ホンダは1996年からバンパーリサイクルに取り組み技術進化しているが、バンパーのリサイクル材は加工時に剥がした塗膜がわずかに表面に残ってしまい、そのためアンダーカーバーなど見えない部分に採用」が限られてきたという。しかし今回はそれを逆手にとり「表面の細かな粒々もリサイクル材の特徴として活用し、一番目立つチャージリッドのグリル部にはリサイクル時に剥がした塗装膜を再度混ぜ込み大粒のキラキラに見える意匠とした」。その結果、「歴代のホンダ車が息づく、世界に一つだけのグリルとして装着している」とのことだ。

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