クルマのマフラーは後ろから出ているのが一般的。ところがときどき、ボディの横からマフラーが出てるクルマを見かける。あれって問題ないの?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=alzamu79@Adobestock)、メルセデスベンツ、マクラーレン、トヨタ、ベストカーWeb編集部

■2017年に保安基準が変更され車検OKになった!

サイド排気の代名詞といえばシェルビー・コブラだ(brudertack69@Adobestock) 

 結論からいうと、車検OKだ。平成29年(2017年)に保安基準が変更されて、「排気管の開口方向に係る基準」が廃止されたのだ。

 廃止された「開口方向に係る基準」とは、具体的にいうと以下の2点だ。

・右向き(または左向き)に開口していないこと
・マフラーカッターの設置角度が車両中心から見て左右30度以内

 これによって、車体横から出るマフラーは車検も通るようになったというわけ。ちなみに現在では車体横はおろか、マクラーレンやポルシェ918のような上方排気もOKとなっている。

 もちろん、マフラーはなにをやってもOKというわけじゃない。従来からあった「尖っていないこと」「著しく車外に突出していないこと(上方車体から10mm以内)」といった規定は残っているから注意したい。かつての暴走族のような「竹ヤリ」マフラーはもちろん論外だ。

 かつてサイド排気のマフラーはスポーツカーに多かったが(コルベットやコブラ、ダッジ・バイパーなど)、現代ではSUVやピックアップトラックに多い。こうしたクルマは車両後方に人が立つことも多いし、ヒッチメンバーでトレーラーなどを牽引することも想定できるためだ。

 輸入車の中でサイド出しマフラーが話題になったクルマといえば、メルセデスGクラスだろう。GクラスのAMG仕様はマフラーが車体左右から2本ずつ出ているのだが、かつてはこれが日本の車検に通らず、オーナーは悔しい思いをしたからだ。

 というわけで、サイド出しのマフラーは車検に通る。マフラーが横から出ているクルマを見ても、どうか怒らないでいただきたい。

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