新型フォレスターは、従来のスバル車全般に取り入れられているテイストとは違ったデザインとなっている。そこで、その源流となっているコンセプトモデル、「VIZIV」シリーズを振り返ってみた。
文:ベストカーWeb編集部・渡邊龍生/写真:スバル
■「コの字型」ヘッドライトは水平対向エンジンのピストンがモチーフ
新型フォレスターはこれまでのスバルSUVのテイストとは明らかに違っている。それはフロントヘッドライト形状がこれまでの一連の「コの字」とは違ったものになっているからだ。
ちなみに、この「コの字」型は水平対向エンジンのピストンを横から見た際の形がパルスとなって表されている。
そもそもスバルデザインの現在の源流は「ダイナミック×ソリッド」がデザインフィロソフィーとなっている。その意味合いは「安心」をイメージさせるソリッドな塊感をベースとし、「愉しさ」を感じさせるダイナミックな躍動感との融合を目指したもの。
記事リンク
前の記事次世代ハイブリッド搭載の[新型フォレスター]は[燃費]も[乗り心地]も歴代最高間違いなし!! 騒音低減の新技術を採用!
次の記事日本での[新型フォレスター]の価格は果たしていくら!? 北米ではスタート価格405万円だが……日本では300万円台後半~400万円台か?
■VIZIVシリーズの変遷を追う
このデザインフィロソフィーを初めて採用したのはVIZIV2からだったが、歴代VIZIVのSUV系コンセプトを見ていこう。
VIZIV(ヴィジヴ)は「Vision for Innovation」を語源とする造語で、スバルの一連のコンセプトカーに付けられているコンセプトモデル名。VIZIVシリーズのコンセプトカーは近年のスバル市販車にそのまま直結するケースがほとんどだった。
SUV系のVIZIVを紐解いていくと、スバルがVIZIV第1弾として、2013年3月のジュネーブショーで初公開したのがVIZIVコンセプト。クロスオーバーSUVのコンセプトカーで、PHVシステムを搭載。
続いて同年10月の東京モーターショーで公開されたVIZIVエボリューションは、ほぼVIZIVコンセプトと外観は同じだが、新型1.6LBOXER直噴ターボにパワートレーンが変更された。
この2台は次世代クロスオーバーのスタディモデルであり、現実のモデルには直結しなかった。
続く2014年3月のジュネーブショーで公開されたVIZIV2は4ドアクロスオーバーSUVのコンセプトカー。当時はこれが次期フォレスター(現行型5代目モデル)と予想されたが、VIZIV2のデザイン要素が先代インプレッサとXVにも採り入れられていた。
さらに2015年10月の東京モーターショーで公開されたVIZIVフューチャーコンセプトは、1.6L直噴ダウンサイジングターボにハイブリッドシステムを組み合わせ、シンメトリカルAWDを搭載。こちらが現行5代目フォレスターの源流となった。
2016年11月に発表されたVIZIV-7コンセプトは全長5200×全幅2030×全高1860mmという、北米市場専用モデルのクロスオーバーSUV。3列シート7人乗り。こちらは北米専売の3列シートSUV、アセントとして市販化されている。
■新デザインテイストとなる新型6代目フォレスターに期待!
すでにスバル初となるストロングハイブリッド採用で登場することがアナウンスされている日本仕様の新型フォレスターだが、その登場は2024年秋が有力視されている。
すでに北米では水平対向4気筒2.5LのNAエンジンを積んで販売されているが、こちらではストロングハイブリッドモデルは追加設定となる。果たして日本で従来からのデザインを脱却した新型フォレスターがどのように受け入れられるのかに注目したい。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。