国内の自動車市場は、今年に入ってから「認証不正」問題で大揺れだが、その2024年も、早くも半年が過ぎ去ろうとしている。時計の針を少し戻してみると、昨年(2023年)1年間で、世界市場で最も多くの台数が売れた新車は、米電気自動車(EV)大手テスラのスポーツ用多目的車(SUV)タイプのEV『モデルY』だったという。

英調査会社「JATO」が2023年の世界の車名別新車販売台数を発表したもので、6月15日付けの読売朝刊などが「23年、車名別販売テスラ首位、『モデルY』EV初64%増」などのタイトルで報じていた。

それによると、テスラの売れ筋、モデルYの世界販売台数は前年(2022年)に比べて64%増の約122万台を達成。モデルYは世界的な環境意識の高まりを背景に販売を伸ばし、2位(2022年は1位)に陥落したトヨタ自動車の『RAV4』(5%増の約108万台)よりも14万台ほど上回ったという。もっとも、テスラは24年1~3月期のEV販売台数が4年ぶりに前年割れとなるなど、EVの需要減速や中国での競争激化などを受けて業績が低迷しており「モデルYに次ぐ新車種の早期投入が業績回復のカギ」(読売)とも伝えている。

また、3位はホンダの『CR-V』で85万台。4位はトヨタの『カローラ』(80万台)、5位もトヨタの『カローラクロス』(72万台)、6位もトヨタの『カムリ』(65万台)、さらに、トヨタの『ハイラックス』(61万台)も8位にランクイン。トップ10のうちトヨタ車が5車種、さらに、日本車は9位の日産自動車の『セントラ』(53万台)を含めると7車種も占めていたことになる。

ただ、中国のBYDの『Qin(秦)』が23年は47万台で12位にランクアップしているほか、トヨタなどの日本車は、量産に必要な認証「型式指定」をめぐる不正行為が相次いで発覚。不正が見つかったカローラフィールダーなどの車種は国内での生産停止に追い込まれており、生産再開が長引けば、今後の新車販売にも影響が懸念される。

2024年6月17日付

●中国EV関税、EU温度差、最大38.1%、対抗措置懸念、独など慎重 (読売・4面)

●テスラ欧州で値上げ、中国報道 (読売・4面)

●自民支持19%に下落、01年以降自民政権で最低、内閣支持は22% (朝日・1面)

●新幹線マッハ便全国へ、名菓・機械、早く揺らさず適温で(朝日・24面)

●スズキ「軽」で自動運転、技術開発へ振興出資(日経・1面)

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