最近の気になるニュースから注目の自動車関連記事をピックアップし、自動車評論家の片岡英明氏がその記事の中身を分析するこの企画。ここでは、日産自動車が下請け企業への支払い金額を不当に減額していたという記事を取り上げる。

※本稿は2024年3月のものです
文/片岡英明、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部、AdobeStock(トップ画像=yu_photo@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年4月26日号

■日産よおまえもか!! 自動車業界に相次ぐ不祥事

不正の露見が相次ぐ自動車業界。今回の日産の一件は悪質であり、二度とあってはならない行為だ

 公正取引委員会は2024年3月4日、日産自動車に対し自動車部品を製造する下請け企業への支払い金額を不当に減額したとして、下請法違反を勧告する方針を固めました。減額は30億円にも上るとされています。

●片岡氏のコメント

 ルノーと主従関係の改善を図り、新たなスタートを切った日産が、なんと自動車部品を製造している約30社の下請け企業に対し、支払い代金を不当に減額していたことがわかった。日産は、事前に下請け企業との間で取り決めた金額から、数パーセント減らして代金を払っていたそうだ。

 驚いたことに「割戻金」と称して、後から支払った代金の一部を下請け企業に支払わせていたのである。この悪い慣行が長い間続いていたのが判明したから、公正取引委員会は日産に下請法違反で再発防止を勧告したのだ。

 自動車業界の不祥事が続いていたこともあって「日産、お前もか」と思ったね。今回の弱者いじめの不当な減額脅しは悪質だ。

 減額分が10億円を超える下請け企業があり、減額は過去数年間だけでも約30億円に上ると言われる。これは下請法違反による勧告では最高額だ。

 政治家だけでなく自動車業界までも不正まみれならニッポンに未来はないよ。日産は猛省してほしいと切に思う。

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