これほどクルマの装備のハイテク化が進んでくると、50代以上のアナログおじさんはついていけない! と焦っている人も多いんじゃなかろうか。そこで2024年現在の今、クルマの装備でなくなってほしい装備、なくさないでほしい装備を挙げてみた。
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock
■なくなってほしい装備:どこに入っているのかわかりにくいAT、CVTのシフトレバー
ここ10年、最も廃止してほしいと強く思っているのが、ハイブリッド車に多く見られるATやCVTの、今どこに入っているのかわかりにくいシフトレバーである。
どのレンジに入っているかはメーター内の表示で確認できるが、どのレンジに入っていてもレバーの位置は、見た目は同じ。常に元の位置(ニュートラルポジション)に勝手に戻るので区別がつきにくい。しかもエンジンが停止しても無音だから気づかない。
確かにメーター内にシフトポジションの表示があるとはいえ、Dレンジにシフトしてもニュートラルポジションにレバーだけ戻ってしまうという違和感があるのだ。
なんで、昔ながらのP-R-N-Dじゃダメなのか。ゲート式でもいい。最近、ダイヤル式やスイッチ式、ボタン式などが出てきたができれば変えないでほしい。
■なくなってほしい装備:開かないグラスサンルーフ
かつては、新車購入時にこぞってオプションのサンルーフを付ける人が多かった。一時期、廃れていたサンルーフだったが、開口部の大きい開かないグラスルーフが欧州車を中心に台頭。
グラスルーフはフロントシート上から、リアシート上部までという大開口だったが、そもそもチルトもしないし、開きもしなかった。遮光用のカバーがあるので暑さ対策はできていたのだが、ちょっと疑問符が付いた。
最近では、前後2枚の構成で、フロントシート上がチルト&電動スライド機構を備え、後ろ側は固定式の開かない大型サンルーフというパターンが出てきた(RAV4用)。
またアルファードは、2列目の右席と左席に独立して配置した新開発のムーンルーフを装備しているが、開くわけではない。
電動シェードはワンタッチでオート開閉するタイプも出てきたものの、やはり開かないのはフラストレーションがたまってしまう。大開口のサンルーフはもはや時代に合わないのだろうか?
■なくなってほしい装備:アイドリングストップ機構
信号待ちなどで停車した際に自動的にエンジンを停止させ、アクセルを踏み込むと再びエンジンが始動して発進できるのがアイドリングストップ機能。
クルマの燃費アップが期待できるこのアイドリングストップは、市街地走行が主となるユーザーにガソリン代節約という恩恵をもたらした。と言ってもそこまで大きな違いではなく、むしろこれから説明するデメリットによって相殺されてしまう可能性もある。
頻繁にエンジンのオン・オフを繰り返すアイドリングストップでは、セルモーターを回す12Vバッテリーに大きな負担がかかり、結果的にバッテリー寿命を縮める危険性がある。
さらにエンジン停止中にはエアコンも停止してしまうので、夏場に長めの信号待ちをしたり、渋滞にハマっていたりすると車内温度が一気に上昇し、エンジン始動後は車内を冷やすために余計にバッテリー&エンジンに負担をかけてしまう。
つまり、アイドリングストップによってガソリン代を節約できても、バッテリーの交換サイクルが上がることなどにより、最終的にはお得にならないケースも多い。
このような理由から、近年になってアイドリングストップのクルマは減りつつある。ちなみにハイブリッドでは停車時にエンジンを止めているが、発進は電動モーターで行い、エンジン始動用電源も強力かつ容量の大きい走行用バッテリーを利用するので負担は少ない。
■なくなってほしい装備:音声認識機能
音声入力機能はカーナビやエアコンなどの操作を、スイッチ類を使わずに、音声で操作できるものだ。メルセデスベンツやBMWをはじめ、国産車の高級車にも採用されている。
乗員とクルマとの相性などもあるが、相性がよく的中率が高いと、特に走行中は便利かつ安全だ。これに慣れてしまい、違うクルマに乗った時もつい声で操作のお願いをしてしまったこともある。
しかし、筆者の愛車の音声認識システム(トヨタ)は、主にナビの目的地を音声で伝えているのだが、これがなかなか認識してくれない。2回喋ってダメだと、認識できませんでしたと言われてしまうのだ。
だから、最近では諦めムードで音声認識機能は使っていないというのが実情。最初からこれまでのように電話番号や住所を入力したほうが早いので、これほんといるっていうのが本音です。
■なくさないでほしい装備:アナログメーター
最近は、メーターもカラー液晶のデジタルメーターが増えてきており、昔ながらのアナログの表示、赤い針のリアルなメーターパネルは今後、なくなっていくだろう。
たしかに最近のデジタルメーターの完成度は高く、見にくいということはないが、やはりおじさん世代にとってはアナログメーターは慣れ親しんだもの。
でもやっぱりスピードメーターとタコメーターの針はアナログ式であってほしいと思うのだが、やはりコストのことを考えると無理なのだろうか。
■なくさないでほしい装備:手動式サイドブレーキ
最近は軽自動車でもオートブレーキホールド機能と連動する電気式パーキングブレーキが増えてきて、もはや足踏み式も少なくなり、あのググっと引き上げる時のノッチの音、ボタンを押して解除する手動式サイドブレーキはもはや風前の灯だ。
電気氏パーキングブレーキのオン、オフのスイッチは指でちょこんとスイッチを押したり、引き上げたりするのだが、わかちゃいるのだが、毎回解除するのは押すんだっけと迷う自分がいる。ボケ気味のおじさんなので忘れっぽいほうが問題があるのだが……。
20代の頃には手動式サイドブレーキを引いて、スピンターンやスポーツ走行をしたものだが、電動パーキングブレーキでは、車速が0㎞/hの状態でなければ作動しないため、スピンターンができないのだ。
あの感覚はまだ抜け切れていないのか、手動式サイドブレーキに人間的な温かみを感じるのは私だけであろうか。
■なくさないでほしい装備:シフトレバーとウインカーレバー
クルマの基本中の基本ともいえる、クルマの操作を変える必要があるのかと疑問に思うのがシフトレバーをなくすクルマが増えていること。
例えば、テスラモデル3はシフトレバーはおろか、ウインカーレバーすらないのだ。シフトレバーはダッシュボード中央の15インチタッチスクリーンから操作するようになった。
一方、ウインカーは、ステアリング左側のスクロールボタンによって左右の矢印のボタンによって操作する。せめて、シフトレバーやウインカーだけは物理スイッチとして残ってほしかった。
シフトレバーはボタン式、スイッチ式、ダイヤル式が存在し、電気信号によって操作できるのでシフトレバーは小さくできる。コストや効率を考えると物理スイッチよりもいいのだが、やっぱり昔からあるATやCVTのあのレバーは残してほしいのだ。だって、MT車のフロアシフトのレバーって全然変わっていないでしょ。
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