高速道路のSA・PAと並ぶ、道路上の一大イベントスポットと言えば道の駅。普通はマイカーやレンタカーで乗り付ける場所という印象を抱くけれども、そういったクルマでないと行けない場所にしかないのだろうか? ふと湧いたそんな素朴な疑問をさらっと検証してみる。
文・写真:中山修一
(道の駅関連の写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebでご覧ください)
■平成時代に生まれた名スポット
「道の駅」と呼ばれる施設を、あちこちで見かけるようになり始めたのは、いつ頃だったか。その昔すごく若かった頃、初めて道の駅という言葉を耳にしたとき、ドライブ中に立ち寄る場所はドライブインしか知らなかった手前、「何それ?」と思ったのをよく覚えている。
道の駅の歴史を遡ってみると、最も初期にできたのは30年ほど前、平成初期の1993年頃だったようだ。駐車場やトイレ・飲食店・お土産品店ほか、設備や取扱商品は似通っているが、地方自治体などの公的団体が運営するのが道の駅、民間企業が経営するものはドライブインと呼ぶのだそう。
道の駅の公式情報を見ると、「休憩機能」、「情報提供機能」、「地域連携機能」3つの機能を備えているのが、道の駅を名乗る条件らしい。さらに国土交通省への登録も必須となっている。
■そんなに数あるの!?
ごく最小限にまとめた場所から、ショッピングモールに迫るほどデカい所、温泉施設付きに至るまで、道の駅の規模やカラーは千差万別で、それぞれの違いを見て回るだけでも楽しい。
「次の道の駅でも売ってるでしょ?」と思ってスルーした品が、他では全然売っておらず後悔するのもご愛嬌。
今や各地を訪れると、道の駅の案内表示が入った道路標識をちょくちょく目にするくらいなので、数は結構ありそうだ。ちなみに道の駅が開設された当初は、全国103箇所(駅)から始まっている。
そして2024年2月現在、全国に何箇所の道の駅が存在するかと言えば……なんと1,213箇所(駅)+現在進行形で増加中。そんなにあるの!? いやはや何とも驚いた。
■マイカーじゃないと行けない「駅」?
さて、道の駅へ行くアクセス手段を思い浮かべると、道路上に置かれたクルマのための施設というイメージが強いのは確かで、真っ先に出てくる乗り物はマイカーもしくはレンタカー(乗用車)の類だ。
実際、道の駅へは乗用車に乗って訪れる機会が多いハズ。とはいえ、道の駅はどこも本当にマイカーやレンタカーでしか行けない場所にあって、公共交通機関を使ったアクセスは考慮されていないのが普通なのだろうか? ちょっと、いや、だいぶ気になってきた。
■思いのほか少ない電車とのコラボ
まず注目するのは鉄道から。電車やディーゼルカーが停まる駅に併設・隣接、もしくはすぐ近くに設置されている道の駅が全国に何箇所あるかをチェックしてみると、38箇所が該当した。
続いて飛行機はどうだろうと確認したところ、これはかなり少なく、能登空港と大館能代空港の2箇所しかないようだ。
鉄道が38/1213駅、飛行機は2/1213駅。全国カバー率で表すなら鉄道3.13%、飛行機0.16%か……パーセンテージで見ると驚愕の低さに思えてくる。上記に「徒歩圏内」は含めていないので、それを足すともう少し上がるかも。
■あの牙城が残ってるぞ
鉄道と飛行機は数が少ないため、割とすんなりチェックできた。しかしまだ肝心なやつが残っている。道路と最も相性が良いあの公共交通機関、バスだ。
バスなら鉄道や飛行機に比べて道の駅を経由するのは簡単だし、なにしろ道の駅は公的機関が絡んでいるゆえ、最低限でも公共交通機関のアクセスを確保している気がする。
1,213箇所ある道の駅から、交通至便なバス停の数を数えてまとめる……そんな気の遠くなる話聞いたことないし、もしかして誰もやったことのない世界に突入したか。寄稿媒体が「バスマガジンWeb」ゆえ、まぁ見て見ぬフリをする訳には行かないんだけど。
■足掛かりを掴むのが大切
さすがに全部を一度に割り出すのは無理なので、どうしても時間はかかってしまうが都道府県別にリサーチしていき、「広い→狭い→集計」のプロセスを踏むのが無難とみた。
最初は「広い」所、その足掛かりを掴むのから始めるとして、ひとまず名称に「道の駅」が含まれるバス停を割り出してみた。
場合によっては既に道の駅の施設が閉鎖され、名前だけ残っている所があるかもしれないが、全国に道の駅が含まれるバス停は、少なくとも370箇所存在していると分かった。
この時点で、全国にある道の駅の、バスによるカバー率は暫定30.5%、そんなに悪くない気がする。これをもとに掘り下げて、精度を出していきたいところだ。何パーセントまで上がるかな〜?(そのうちつづく)
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