マックトラックはアメリカントラックの老舗メーカーだが、同社から1990年代に発売された「スーパーライナー」がこのほどオランダのWSI社によってモデル化された。

 重機・トラックのミニチュアを専門に扱う「ケンクラフト」の店主ケンさんに、早速その出来栄えを見てもらおう。

文/高石賢一(ケンさん)、写真/岡村智明
*2024年6月発行トラックマガジン「フルロード」第53号より

アメリカントラックの老舗メーカー・マック

オランダのWSI社からこのほどリリースされたアメリカントラック「マック・スーパーライナー」

 久しぶりにアメリカントラックの良いモデルがWSIからリリースされた。写真を見ただけでもハイクオリティだということがおわかりになるだろう。

 アメリカントラックというとやはりボンネット型。キャブオーバー型キャビンでは味わえない迫力のデザインだ。CATやカミンズエンジンの野太いディーゼルサウンドも魅力のひとつだろう。

 マックトラックは、ケンワース、ピータビルト、フレイトライナー等とならんでアメリカを代表するトラックメーカーで、創業は1900年と124年の歴史がある。

 歴代の代表的なモデルはマックACから始まり、B、R、CRUSELINER‐SUPERLINERと続き、近年では、GRANITE、ANTHEM、PINNACLEのトラックシリーズ、消防車、ゴミ収集車、軍用車等幅広いラインナップで米、豪州が主要なマーケットだ。

 モデル化されたのは1990年代のスーパーライナー、重量物運搬用のヘヴィデューティ仕様である。

 一言でいうと素晴らしく佇まいの良いモデル。精密なだけではこの雰囲気は出せない。ひとえに設計エンジニアのセンスなのだ。

エンジンフード、左右ドアは開閉して精密に再現されたエンジン、室内を見ることができる

オランダのWSI社のセンスのいい逸品

 WSIはオランダの会社で、少し前まで設計はオランダで行なわれていたが、製品の種類も増え中国人のエンジニアも設計に加わっている。

 先日のジャパントラックショーに中国の工場からこのモデルを設計した中国人のエンジニアが来てくれ少しお話をしたが、モノ作りに対する愛情がひしひしと伝わってきてメイド・イン・チャイナに対する自分の認識が変わった。

 彼らは日本のマーケット向けのモデルにも積極的取り組むビジョンも示してくれたので今後の展開に期待しよう。

 たった全長約15cmに小さく凝縮されたモデルはキラキラ光る宝石のような存在だ。沢山モデル化されてもこういう存在感のあるモデルはそうそうない。良いモデルはいつまでも見飽きないというのが筆者の持論なのだが、まさしくそれに値するトラックたちだ。

渋いグリーンとブラックのツートーンに細いトリミングラインが実車同様にプリントされている。「GREENE」社のロゴマーク入り
精悍なブラックに細いストライプがクールだ。ドアには「D.ROUNDTRUCKING」社のロゴマーク

 今回紹介する5種類はいわゆる企業カラーで細かいロゴマークが印刷されている。お馴染みのブルドックのマスコットが付いた巨大なエンジンフードは、実車同様、前ヒンジで開閉、クロームパーツがキラリと光るエンジンはいい感じにまとまっている。

 メッシュグリルはエッチングパーツが奢られ、向こうが透けて見える。アメリカンらしいクロームのフロントバンパー、リヤフェンダー、燃料タンク、ステップ、エキゾーストパイプ、キャブバックにはバーライトが付き、レバーブロック、チェーンまで再現され雰囲気タップリだ。

 6本スポークのホイールとワンサイズ大きなブロックタイヤも重量物仕様の証。ドアを開けるとスパルタンな仕事場が見事に再現されている。

 たまには模型映えがするアメリカントラックを楽しんでみてはいかがだろう。

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