自動車開発の聖地として知られる独ニュルブルクリンク。北コースのラップタイムはスポーツカーの性能指標としても使われ、1989年に日産R32型GT-Rが打ち立てた8分20秒は衝撃だった。それから35年。現代のクルマはニュルをどのくらいのラップタイムで走るのだろうか?

文:ベストカーWeb編集部/写真:

■いまやSUVやコンパクトカーでも7分台があたりまえ!

現在のレコードホルダーはメルセデスAMG ONEの6分35秒183

 1周が20kmもあり、ブラインドコーナーやジャンピングスポットが存在する難コースとして知られるニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)。

 その存在が日本で紹介され始めたのは1980年代のことだが、1989年に日産のR32型スカイラインGT-Rが8分20秒というラップタイムを記録し、「ポルシェターボと戦えるクルマ」として話題になった。

 GT-Rに関していえば、その後R33が7分59秒、R35型GT-Rが7分8秒(2013年のGT-R NISMO)とタイムを縮めてきたわけだが、その後はいったいどうなっているのだろう。

 北コースのラップタイムは、ニュルブルクリンク自身が最新の公式レコードをサイトにまとめている。計測方法が変更されたり、一部コース改修がなされたりしたため一律の比較はできないが、2024年6月24日時点の、ボディタイプ別最速ラップタイムは以下の通りだ。

・コンパクトカー BMW M2クーペ 7分38秒706

・ミッドレンジ BMW M4 CSL 7分18秒137

・エグゼクティブ メルセデスAMG GT 63S 4マチック 7分27秒800

・SUV/オフロード  ポルシェ カイエン ターボGT 7分38秒925

・スポーツカー ポルシェ911 GT2 RS マンタイパフォーマンスキット 6分43秒300

・スーパースポーツ メルセデスAMG One 6分35秒183

・改造車 ポルシェ GT2 RS MR 6分44秒749

・プロトタイプ ポルシェ919ハイブリッドEVO 5分19秒546

・EVエグゼクティブ ポルシェ タイカン ターボGTバイザッハパッケージ 7分7秒55

・EVスーパースポーツ リマック ネヴェーラ 7分5秒298

・EV改造車 テスラ モデルSプラッドトラックパッケージ 7分25秒231

 いかがだろうか。かつてはニュルを7分台で走れば世界最高峰のスポーツカーと言われたが、いまやコンパクトカークラス(M2が日本でコンパクトかと言われれば疑問だがw)でさえ7分中盤、スポーツカーに至っては6分台が主戦場となっている。

 今後記録が伸びそうなのがEV部門だ。2018年に中国のNIOがEP9というBEVで6分45秒という記録を打ち立てたが、計測方法が異なるためか現時点の公式記録には記されていない。そのNIOを含む中国勢がラップタイム更新に参入してくることはほぼ確実。ポルシェなどとの激突が予想される。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。