子育て世代にオススメのクルマと言えば、ミニバン・SUVだろう。コンパクトカーや軽自動車でも、ボディ全高が高いスライドドアモデルに乗る子育てファミリーが多い。実際問題、背の低いステーションワゴンやセダンは子育てには厳しいのか。ミニバン・SUVの必要性を考えていく。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ

■子育てなら4代目がおススメ!現行型は子供が大きくなってから

 子育てファミリーが、これから新しいクルマとしてプリウスを迎え入れるとしたら、圧倒的に2代目(50系)を勧めたい。

 その理由は2つある。2つは室内長が105mm、室内幅が20mm大きくなっているから。室内高こそ30mm低くなっているのだが、長さと幅が大きくなっている分、後席空間は4代目の方が広く感じる。

 もう1つの理由は、リアシートの座面長にある。4代目プリウスは先代比で座面が長く、座面の傾斜もなだらかに感じるのだ。後席に大切な家族を乗せることが多いファミリーユースでは、重要視したいポイントである。

 ちなみに5代目の現行型プリウスは、全体的に大きくなっているものの、デザインや低重心化によって、室内空間の犠牲は大きい。そのため3代目よりも、リアシートで子供のお世話がしにくく感じてしまった。

 赤ちゃんがいる家族にプリウスを勧めるなら、4代目・3代目・5代目(現行)の順になるだろう。4代目を中古車で買い求めるのが、一番賢い方法だ。


4代目プリウス
4代目プリウス。カラーバリエーションも豊富

■でもいつかはミニバンになるだろうな

 ここまでプリウスを推してきたが、不満が無いわけではない。

 チャイルドシートへ乗せ降ろしをする際に、ヒンジドアは大変だし開口部も狭い。抱っこしていて両手が塞がっている時には、キックセンサー付きのスライドドアがあれば良いなとも思ってしまう。

 また、プリウスお得意の後席アームレスト一体型のカップホルダーは、チャイルドシートを取り付けると、引き出すことができなくなる。後席のカップホルダーが無いのは、結構痛い。ミルクを作ったり、あげたりするときに、哺乳瓶や水筒の置き場所に困ってしまった。

 特にカップホルダーの問題は、解決してほしいところ。形にこだわるのは良いが、チャイルドシート装着時の機能性も担保しておかないと、ファミリーに選ばれるクルマではなくなってしまう。

 子育て中は「ミニバンで我慢」している人も多いはず。こういう人のために、ファミリーに選ばれるセダン・ワゴン作りが必要だ。

 圧倒的なユーティリティは要らない。ただ今より少しだけ、ファミリーユースに寄ってもらえれば、セダンやステーションワゴンの復権も近いのではないだろうか。

トヨタ アルファード。見た目からもファミリーカーとしての需要の高さを窺える…

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。