2024年4月末から5月頭にかけて開催された北京モーターショー2024。その会場でマツダが新型Dセグメントセダン「EZ-6」を世界初公開。これが噂のラージプラットフォームを使ったFRのMAZDA6セダンなのか!? 最新情報をもとに考察する!!
※本稿は2024年5月のものです
文:ベストカー編集部/写真:マツダ
初出:『ベストカー』2024年6月26日号
■これがMAZDA6の後継車なのか!?
2024年4月25日、北京ショー2024で、マツダは中国向けのDセグメントセダン、EZ-6を世界初公開。4月末でMAZDA6セダン&ワゴンの日本向け生産の終了というタイミングもあり、EZ-6こそMAZDA6の後継だ! と色めき立ったというわけだ。
EZ-6はマツダが出資する中国の現地法人『長安マツダ汽車』が開発・製造する新型電動車の第一弾となる。ボディサイズは全長4921×全幅1890×全高1485mmというDセグメント車で、駆動方式はRWD(後輪駆動)と公表。
一方パワーユニットは、航続距離が約600kmのBEV、1回の給油で1000km以上走れるPHEVの2タイプを設定すること以外、詳細は未公表だ。
期待感を煽るEZ-6だが、実は2022年6月に登場した長安汽車の電動車ブランド、深藍(ディーパル)のSL03がベースとなっている。
後輪駆動ということでマツダのラージ商品群のプラットフォームを使ったFRセダンを期待するが、プラットフォームは長安汽車のEPA1、パワーユニットはSL03のもので、マツダ製ではない。マツダはPHEVと公表しているが、SL03のシステムはレンジエクステンダー(EREV)だ。
軽くSL03の概要を紹介しよう。
まずBEV。258psのモーターをリアに搭載する後輪駆動。航続距離は705kmで、バッテリー容量は79.97kWh。
一方PHEVは、フロントに発電用の長安汽車製1.5L、直4DOHC(JL473QJ型)、リアに218psのモーターを搭載する後輪駆動だ。バッテリー容量は28.39kWhで、レンジエクステンダーによりワンタンクで1200km走行可能。バッテリーはBEV、PHEVとも三元系リチウムイオンを搭載する。
ちなみにSL03は、燃料電池車(FCEV)も設定されているが、EZ-6への搭載可能性は低いだろう。
■内外装のデザインはマツダオリジナル
EZ-6は、SL03をベースにマツダの魂動デザインを盛り込んだエクステリア、ラグジュアリーなインテリアデザインが与えられている。
しかし単なるスキンチェンジではなく、前/ストラット、リア/マルチリンクのサスはマツダが独自にチューニング。人馬一体を感じさせるダイナミック性能、操安性、優れた乗り心地を実現し、マツダらしさが盛り込まれている。スキンチェンジで終わらせないあたりにマツダの矜持を感じる。
このEZ-6は2024年中に中国国内で販売を開始することを発表しているが、欧州向け、日本向けモデルのテストも始まっているという情報もあり、日本で販売するのは、ほぼ確実だ。
ただマツダがDセグメントセダンを2台ラインナップするとは考えにくい。ベストカーが掴んでいるラージプラットフォーム版ではなく、EZ-6がMAZDA6の後継モデルとなるだろう。
気になる日本デビューは2025年中、価格はSL03の価格を考慮すると、PHEVが600万円前後、BEVが800万円前後と予想。
マツダはプレミアム路線を標榜するなか、オリジナルではないEZ-6をユーザーがどう評価するか注目したい。
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