ロッキー/ライズが火をつけた小型SUV市場。今春にはホンダWR-Vも参入してさらに盛り上がっているが、日産はこのカテゴリーにモデルがない。あきらめ気味に日産のグローバルラインナップを見渡してみると……あった! WR-Vと同じインド製でマグナイトがあるじゃないか!
文:ベストカーWeb編集部/写真:日産自動車
■CVTの1Lターボがそそるのよ!
マグナイトとは、日産がかつて新興国向けブランドとして「ダットサン」の名前を使っていた際、そのラインナップの最上位モデルとして開発されたコンパクトSUVだ。
ところが2020年にダットサンブランドの廃止が決まったため、日産マグナイトとして同年10月にデビューした。生産しているのはインド・チェンナイにあるルノー日産インドだが、東南アジアやアフリカなど数多くの新興国に輸出されているグローバルモデルでもある。
インド製というと抵抗があるかもしれないが、もはや日本では珍しいものじゃない。古くはスズキ・バレーノがそうだし、ジムニー5ドアもいまのところインド製。さらにはホンダWR-Vもあるし、近く投入されるというスズキ・フロンクスもインド製なのだ。
マグナイトの詳細だが、広々したキャビンをシャープな造形で包んだコンパクトSUV。全長3994mm、全幅1758mm、全高1572mm、ホイールベース2500mmというから、ロッキー/ライズをわずかに横に広げたプロポーションだ。プラットフォームはルノー日産のCMF-A+が使われている。
エンジンは1Lの直列3気筒だが、自然吸気とターボがあり、前者は72ps、後者は100ps。日本で乗るなら後者で決まりだろう。トランスミッションは5速MTがメインだが、ターボモデルにはエクストロニックCVTがあるから問題ない。
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■ベースモデルならなんと115万円!
室内や装備だが、予想以上に充実している。メーターパネルは中央部に液晶を備え多彩な表示を可能にしているし、ディスプレイオーディオを搭載しているからスマホ連携もOK。スマホの置くだけ充電や後席用エアコン吹き出し口、後席センターアームレストも装備しているのだ(一部オプション)。
スマートウォッチとも接続可能な日産コネクトにも対応していて便利なのだが、唯一残念なのが運転支援系。オーソドックスなクルーズコントロールしか付いていないから、こればかりは日本導入へのネックとなりそうだ。
最後にマグナイトの強力な武器を紹介したい。それが価格だ。インドでの価格はベースモデルが59万9900ルピー。日本円にして約115万円なのだ。1LターボのCVTはさすがに高く、約195万円となるが、ダイハツロッキーのべーすグレード「L」の4WDターボが195万円だから、ほぼ同等だ。
近年、日本の自動車市場がニッチ化しており、日本専用の車両開発などもはや期待できない。加えてこの円安だから、新興国向けのお買い得なクルマたちを日本に持ってくれば、ヒットしそうな気がする。
その理屈から日産マグナイトもぜひ日本で発売してほしいのだが、はたしてどうだろう。その場合は、くれずれも運転支援機能の充実をお願いしたい!
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