日本でイタリア車、フランス車は一定の人気はあるが、台数そのものが決して売れているわけではない。当然日本車には遠く及ばず、ドイツ車より多く売れることもまずない。ではなぜクルマを販売して利益を挙げる中古車屋があえて「イタフラ」という茨の道を選ぶのだろうか。専門店に尋ねてみた。
文/写真:小泉はつ
■そもそもなぜ不利なイタフラ専門店を?
東京・目黒通り沿いにあるコレツィオーネは、1999年にイタフラ専門店として創業し(当時は別の場所)、以来ずっと同じスタイルで中古車販売を行っている老舗店である。
代表の成瀬氏は元々某ドイツ系ディーラーに勤め、その後イタリア、フランス車メインの中古車屋で経験を積んだあと、今のコレツィオーネを立ち上げている。
「若い頃はスポーツカーやスーパーカーが好きだったんですが、初代フィアット パンダに乗って『こういう楽しいクルマもあるんだ』『排気量が小さくても運転して楽しいクルマがあるんだ』って学んだんですよ。そこからどんどんイタリア車、フランス車が好きになり、だったらそういうクルマを扱うお店をやろうって。それがスタートです」
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■ビジネスセンスで勝負しているのかと思いきや…
ここ20〜30年の間、残念ながら多くの中古車屋が廃業している。イタリア車&フランス車の専門店だけ調子がいいなんて聞いたこともない。
25年近くお店の舵取りをするのはかなりのセンスや読みができないと無理だと思うのだが…。
「それ、よく言われるんですよ。『狙ってこういうクルマを並べているんですか?』とか『戦略とか難しくないんですか?』って。でも本当にそういうのを考えたことは無いんですよ。ウチの在庫はほぼ買い取りで、オークションから仕入れることは特殊なケース以外はないんですね。つまり売るクルマ、並んでいるクルマはほぼお客様が当店に譲ってくれたクルマで、自分はイタリア車、フランス車であること以外はコントロールしてないんですよ」
20年前は今より小さく安めのクルマがもっと多かったが、最近はクラシックカーなどの高級車が多いコレツィオーネ。それは狙った路線変更だと思っていたが…。
「まったくないんですよ。クルマ好きで、イタリア車やフランス車好きな人って結構いらしゃいますよね? その中の何パーセントかのお客様と長くお付き合いをさせてもらっていて、その人たちのクルマ人生をサポートさせてもらったらこんなに長いキャリアになったっていう感じです。
『希少なクルマを扱ってますね』とか『よく見つけますね』とかも言って頂くんですが、ウチが特別なんじゃなくて、ウチのお客様が希少車に乗っていて、ウチを贔屓にしてくれてるだけなんですよ」
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■クルマ好きが集まるのには理由がある
「あと大きいのは結局僕がイタフラ系のクルマを好きな人が好きってことです。僕の中ではすごく好感度が高い人たちばっかりなんですよ。ほんとクルマが好きなんだなって。同じクルマを何回も買う人とか、楽しそうに修理に持ち込む人とか。そういう方たちとのお付き合いがとにかく好きなんです。サポートし甲斐があるというか(笑)」
もちろんコレツィオーネはリピーター客だけでなく、新しいお客さんも訪れている。端から見ると「なんでこの中古車屋ってやっていけるんだろ?」って思うお店でも、長いキャリアのお店なら、踏み込んで覗いてみると納得の理由が隠れているのである。
イタフラをお探しなら、ぜひ一度足を踏み込んでその不思議な空気感に触れてみて頂きたい。
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