海外で根強く人気のある日産のクロカン。パトロールのようにSUVへと移行して売れているものもある。きっとこの記事を読んでいる人は親しみを感じる車がたくさん出てくるであろう。そんな日産のクロカンの歴史を紹介していく。

※本稿は2024年6月のものです
文:永田恵一/写真:日産、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年7月10日号

■日産 パトロール&サファリ

日産 パトロール(2代目)。ショートボディのハードトップモデル

 パトロールはもともとランクルBJ型同様の「和製ジープ」を目指したモデルとして登場。2代目モデルも初代モデルのキープコンセプトだった。

 実質的な3代目モデルで日本での車名はサファリとなった。このモデルでは同時期に登場したライバルのランクル60系が5ドアのみだったのに対し、初代サファリは3代目モデルまでホイールベースの短い3ドアも設定していたことも特徴でマニアから支持された。

日産 サファリ(初代)。洗練という言葉とは無縁だが、カクカクの武骨なデザインは初代サファリのタフさを如実に物語っている

 日本向けサファリはスパルタン過ぎたのが原因だったのか、ランクル100系と同時期に登場した3代目モデルで絶版に。しかし、海外向けはパトロールの車名を使い継続中で、スポーティなNISMOも設定する。

●日産 パトロールの歴史
・初代:1951~1960年
・2代目:1960~1980年

●日産 サファリの歴史
・初代:1980~1987年
・2代目:1987~1997年
・3代目:1997~2002年

■日産 テラノ&テラノレグラス

日産 テラノ(初代)。北米の日産デザインインターナショナル(当時)が手掛けた斬新なデザインで大人気。今見てもスタイリッシュだ

 テラノはハイラックスサーフ同様、ダットサントラックを乗用車化したモデルとして登場。3ドアのみだった初代モデルは後に5ドアを追加し、静かでパワフルなV6ガソリンを設定したことも特徴だった。

 北米の日産デザインインターナショナル(NDI ※現在はNDA〈日産デザインアメリカ〉)がデザインした斬新なエクステリアで人気に。

日産 テラノレグラス。テラノの上級版で、発売当時、レーシングドライバーの本山哲選手が愛車としていた

 2代目はアテーサE-TSをクロカン向けにしたトルクスプリット4WDを採用し、上級車のレグラスも追加。テラノの日本向けは絶版となったが、海外向けはパスファインダーの車名で継続され、テラノの車名を使ったモデルもあった。

●日産 テラノの歴史
・初代:1986~1995年
・2代目:1995~2002年

●日産 テラノレグラスの歴史
・初代:1996~2002年

■日産 ミストラル

日産 ミストラル。新車時に話題になったが販売は振るわず

 スペインの日産モトールイベリカで生産された、初代テラノの欧州向け的存在。初代テラノとの違いとしてはヨーロピアンな乗り味、3ドアショートと7人乗り3列シートの設定が挙げられる。なお、ミストラルはフォード向けにOEM供給された国際車でもあった。

●日産 ミストラルの歴史
・初代:1994~1999年

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