電動パーソナルモビリティの開発、販売を行うglafit(グラフィット)株式会社は、“四輪型特定小型原動機付自転車”のプロトタイプを公開。今年7月から実証実験を開始することをアナウンスした。自動車部品のグローバルサプライヤー「株式会社アイシン」との共同開発となる。

  文/Webikeプラス編集部  

そもそも“特定小型原付”とは?

 電動キックボードなどのイメージが強い特定小型原付。昨年7月から新たに導入された車両区分であり、16歳以上は免許不要で乗れるということで大きな話題となった。

 近年、3輪タイプや自転車のように着座して乗るタイプのモデルなどが増えているのは皆様もご存じだろう。しかし、4輪タイプのものは現状では珍しく、街中で見かける機会もほとんどないはず。

 そもそも、特定原付としてリリースするためには規定はあるものの、2輪や3輪でなければいけないというルールは存在しない。規定は以下の通り。

・車体の長さ190cm以下、幅60cm以下
・原動機として、定格出力が0.60kW以下の電動機を用いること
・時速20km/hを超える速度を出すことができないこと
・走行中に最高速度の設定を変更することができないこと
・オートマチック・トランスミッション(AT)機構がとられていること
・最高速度表示灯が備えられていること

 以上が特定原付として認められる条件要項となる。ちなみに免許は不要だが、ナンバープレートの取り付けや自賠責保険の加入はマスト。違反者には罰則が科せられてしまうので注意したいポイントだ。

 

 

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過疎地高齢者の新しい足に? glafitが4輪にチャレンジした背景とは

 実は4輪として特定原付を製造するにはいくつかの課題がある。そもそも車体サイズの規定がある中で4輪を作ることが非常に難しく、自動車のような安定走行を実現するには様々な対処をしなければいけない。

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 そうまでして、なぜわざわざ4輪として開発を進めるのだろうか。それは、近年取りざたされる“買い物難民問題”が起因している。

 地方の過疎地域での店舗数減少、交通機関の縮小、住民の高齢化などにより、生活必需品の買い物が困難だという人が増加。すでに免許を返納している高齢者も多く、パーソナルな移動手段といえば“自転車一択”という状況が続く。

 その打開策として起案されたのが4輪特定原付というわけだ。2輪だと不安が残る、かといってシニアカーでは行動範囲が限られるため、新たな区分で4輪を作ることに需要を見出した結果となる。

 以前ウェビックプラスでも紹介しているスズキの4輪モビリティ「SUZU-RIDE(スズライド)」と「SUZU-CARGO(スズカーゴ)」も特定原付としてリリースされるとの噂が。時代と共に4輪特定原付が一般的になる日も遠くないのかもしれない。

 

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glafit 四輪型特定小型原動機付自転車プロトタイプ 実証実験 開催日程

7月7日(日)10:00~17:00 和歌山城 西の丸広場 (和歌山県和歌山市一番丁3)
7月21日(日)10:00~17:00 温故創新の森NOVARE(東京都江東区潮見二丁目8番地20号)
7月29日(月)10:00~17:00 大阪府内で調整中

 ※実証実験の詳細は、別途発表予定。 

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/384357/

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