メルセデスベンツやBMWなど、ドイツ車をはじめとする欧州の高級車には金属モールの窓枠が装着されているが、年数の経過とともに白いサビが発生することがよくある。洗車では落ちないガンコな汚れの、発生要因と対策を解説する。
文:デグナー12(Team Gori)/写真:デグナー12(Team Gori)・写真AC
■白サビの犯人はアルカリ雨によるアルミの腐食
欧州車に装着されている窓枠やルーフレールはアルミ合金製で、サビ止めのために表面にアルマイト処理が施されている。この素材はヨーロッパ特有の酸性雨に対して強い耐候性をもつ一方で、アルカリ性には弱いという弱点をもつ。
日本は欧州に比べて湿度が高い上に、春先には中国から偏西風にのって黄砂が到来する。この黄砂は水に溶けるとアルカリ性に変質するため、黄砂を含んだアルカリ雨がアルミ合金のモールを白くサビさせる原因になっている。アルカリ雨の他にはカーシャンプーなどの洗剤に含まれるアルカリ物質がアルミモールと化学反応する場合もあるようだ。
ちなみに国産車のモールの多くはゴムや樹脂で、金属のように見えるモールでもメッキ加工されたものがほとんど。そのため白サビが発生することはないが、レクサスなど、一部の高級車には欧州車と同じアルミ合金が使われているため油断できない。
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■白サビ対策はラッピングがオススメ
発生してしまった白サビは洗車では落とせないため、諦めてしまっている人も多いだろう。以前は新品交換か、塗装の二択だったが、今ではいくつか対策があるので紹介しよう。
最も低コストで済むのがモール専用のコンパウンドでDIY研磨する方法。ただし、磨きすぎるとアルマイト処理の部分まで落ちてしまうので、加減が難しい。しかも白サビの再発防止にはならないため、その場しのぎの対処と割り切るべきだろう。せっかく白サビを落としたのであれば、その後のコーティングまでしておきたい。
2つ目の方法は、モールをフィルムでラッピングする方法。白サビの上からでもラッピング可能なため、状態が酷いならラッピングで覆ってしまう方が手っ取り早い。キレイにラッピングするにはテクニックがいるが、フィルムのカラーも好みで選べるため、白サビ対策はもちろん、ドレスアップとしても人気のあるメニューとなっている。
フィルムで隠さずに純正モールの風合いをそのままいかしたい人もいるだろう。その場合はプロテクションフィルムの施工が有効。透明なフィルムのため、白サビがない状態が前提だが、傷も防げて一石二鳥。フィルム自体が高価な点はデメリットだが、ボディへの施工など、高級車向けに近年急速に普及してきている。
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■ゴムモールのケアはハンドクリームが有効
国産車ではゴム製モールの窓枠が多いが、こちらが経年劣化で白くなるのは紫外線が原因。この対策として、市販のコーティング剤を使用してもいいが、家庭にあるハンドクリームを塗るだけでも紫外線ダメージを軽減できるので試してみてほしい。
窓枠のモールはボディ全体面積の中で占める割合は小さいが、汚れや劣化があるとクルマ全体の雰囲気も古びてみえるもの。ケアを怠って後々苦労しないよう、キレイなうちから対策しておくことをオススメする。
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