ミシュランは7月12日、長年のタイヤ開発で培った素材に関するノウハウを応用し、複合材料を開発していると発表した。
複合材料とは、異なる特性を持つ2つ以上の要素を組み合わせ、優れた性能を持つ製品を作るためのものだ。タイヤはその構造上、異なる特性を持つ原材料を含んでおり、これらを組み合わせることで、エネルギー消費を抑えつつグリップ力を発揮し、長寿命で効率的なブレーキを実現するなどの特性を同時に備えることができる。
ミシュランはル・マン24時間レースを走行する耐久レース仕様のハイパーカーへ独占的にタイヤを供給している。これらの車両は空力装置によりダウンフォースを生み出し、タイヤに大きな負荷をかける。ミシュランの専門家たちは、この負荷に対応するため、最適な原材料と配合ゴムの開発に取り組んでいる。
レーシングカーは新しい技術や素材を開発するための重要な実験場であり、ミシュランは長年にわたり卓越した性能、長寿命、多機能性を追求してきた。特に革新的な生産工程と効率的な複合材料の開発が注目されている。また、再生可能素材やリサイクル素材の使用割合も急速に増加している。
ミシュランは、複合材料分野で世界のリーダーになるという目標に近づきつつある。同時に、高い付加価値を持つ特定市場で事業を展開する企業の買収により、新規分野における成長戦略を推進している。その一例が、自動車、海洋、スポーツ、インフラなど重要な分野に革新的な複合材料を供給するFlex Composite Groupe (FCG)だ。FCGとミシュランの知識を融合させることで、これら先進素材の理解と供給における更なる進展が期待されている。
具体例として、ネオプレンコーティング生地は、半剛性・空気注入式のボートや救助艇の製造に使用され、過酷な条件下でも強度と密閉性を維持する。また、プリプレグカーボンファイバーはレーシングカーの車体パネルやウイング、自転車のフレーム、スポーツ用品に使用されている。これらの事例は、ミシュラングループが、複合材料と革新的製品で世界のリーダーになるという決意を強く表しているという。
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