いやー暑い! これほど暑いとクルマ生活も大変だ。ところで先代プリウスに謎の黄緑色のボディカラーがあったのをご記憶だろうか? 実はこの車体色、酷暑と戦うためのすごい技術だったというのだが、はたしてどんな技術?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock、トヨタ、ベストカーWeb編集部

■もはやボディカラーは一つの「性能」だ!

白いボディは黒いボディより熱を吸収しにくく車内温度が上がりにくい

 ついに酷暑に突入した日本列島。なんとか涼しくなる方法を考えたいが、クルマの暑さを左右する重要な要素にボディカラーがある。

 よく知られている通り、黒いクルマは白いクルマに比べて熱を吸収するため車内温度が上がりやすい。過去にベストカー本誌でもテストしたが、その温度差はおよそ10%(同条件で白いボディ54℃に対し黒いボディは60℃)にもなるのだ。

 ひと昔前まで、白いクルマはボツ個性で味がないなどと言われた。しかしこれだけ夏場が暑くなると、白いボディは一つの「性能」だといえる。これからの時代は白やシルバーを積極的に選ぶべきといえないだろうか。

 ちなみに先代の4代目プリウスに、やたらと派手な黄緑色のボディカラーがあったのをご記憶だろうか。あの塗装は単なる目立ちたがり屋のために設定されたわけじゃない。なんと世界初の遮熱機能を持たせた特殊な色なのだ。

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■BEVのボディカラーは電費にも直結する!

先代(4代目)プリウスに用意されたサーモテクトライムグリーン

 従来のクルマの塗料は、色を問わずカラーベースの中に「カーボンブラック粒子」を含み、こいつが赤外線を吸収して車体表面温度を上げる原因となっていた。

 いっぽう「サーモテクトライムグリーン」というプリウスのあの色は、カラーベースの中に「大粒径酸化チタン粒子」を混合させ、太陽光の赤外線を反射する仕組みなのだという。夏場の太陽光下に2時間駐車した場合、同系色の車体に比べて表面温度が5℃も低いというから驚きだ。

 というわけで、これからのクルマにとってボディカラーは一つの「性能」といえるわけだが、特に気を付けたいのがBEVを買おうと考えている人だ。

 ご存知の通りBEVはエアコンの作動状況が電費(内燃機関車でいう燃費)に大きく影響する。黒いボディを選ぶ人はそれだけで、BEVの航続距離を奪っているかもしれないのだ。

 目下、クルマ選びのボディカラーで悩んでいる人は、ぜひとも夏の猛暑を考慮に入れてボディカラーを選んでほしい。

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