コロナといえばおじさん向けセダンを思い出すかもしれないが答えはNO! 歴代コロナには2ドアハードトップの系譜もあり、メチャクチャスポーティなクルマだったのだ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカー編集部
■日本で初めてツインカムとターボを同時装着!
トヨタ コロナといえばナイスミドルのおじさまたちが乗るクルマというイメージが強い。
しかし本当は違う。セリカやカリーナが登場する以前はブルーバードに対抗するトヨタのツーリングカーレースのベース車だったし(故徳大寺有恒氏もレーサー時代にT50型を運転している)、セリカ/カリーナ誕生後もしばらくは兄弟車として高性能をうたい続けた。
中でも強烈だったのが、1982年に誕生したT140型だろう。このモデルはツインカムエンジンや他ターボチャージャーが大衆化するなかで、FRをうたったセリカ/コロナの最終型だったからだ。
T140型コロナはアドバンス・ウェッジという角ばったスタイリングを特長とした。この世代からプラットフォームがコロナ/セリカ/カリーナで共用となり、4ドアセダンと2ドアハードトップのみとなったこともトピックだ。
当初T140型コロナは18R-GEU型2Lエンジンを積む2000GTハードトップをフラッグシップに据えた。ところがこのクルマの天下はわずか半年。1984年10月、ツインカムとターボの両方を採用した日本初の新世代エンジン3T-GTEUを積むモデルが登場したからだ。
3T-GTEUは排気量を1.8Lとしながらも、ヤマハが開発したDOHCヘッド(気筒あたり2バルブ)とターボチャージャーを装着し、当時としては驚異的な160psを発揮した。
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■タクシー仕様のT140 型はなんと16年も生産継続!
なんで1.8Lなのか。当時トヨタにはS型という新型4気筒エンジンがあったが、これをツインカムターボ化するには時間がない。そこでライバルを出し抜くため、OHVだが頑丈だった既存の1.8Lの3T-EUをベースとしたという説が有力だ。
トヨタは3T-GTEUエンジンをセリカとカリーナにも搭載したのだが、コロナとカリーナで魅力的だったのは、セダンボディにもこのツインカムターボが積まれたことだ。一見凡庸なセダンに見えながら、心臓には最強のツインカムターボを積む。まさに1980年代「羊の皮を被った狼」である。
グレード名「GT-TR」を名乗ったコロナは、結婚して家族を持った走り好きなどから絶段な支持を集めた。しかしここで、コロナにとって運命的な事件が起きる。冒頭でも触れたとおり1980年代には大衆車のFF化が進み、コロナ/セリカ/カリーナも前輪駆動に置き換わることが決定したのだ。
とはいえトヨタは、FF化による人気の低下もおそれた。結果どうしたか。FRであるT140型登場からわずか1年後にFFのT150/160型を投入し、両車を併売する形をとったのである。
そのため140型コロナはじわじわとフェードアウトするような幕引きとなり、その生涯を終えた。唯一の朗報は、タクシー向けとして作られたLPG仕様が、根強いFR支持の声を受けて1998年まで生産され続けたことだろうか。
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