新型フロンクスを検討するうえで無視できないのが、サイズも似ていて同じインド製となるホンダWR-Vの存在。2台はどこが似ていてどこが違うのか? 気になるデータを比べてみた!
文:ベストカーWeb編集部/写真:奥隅圭之、ホンダ技研
■一回り大きいWR-Vだが小回り性ではフロンクスの勝ち
まずは見た目から。両車のシルエットの差は明確だ。フロンクスはコンパクトSUVとしては貴重なクーペ風。対するWR-Vは力強さを強調したボクシースタイル。このあたりは用途や好みで選んでいいだろう。
ボディサイズは、新型フロンクスが全長3995mm、全幅1765mm、全高1550mm(※インドのスペック)。対するWR-Vは全長4325mm、全幅1790mm、全高1650mmだから、フロンクスのほうが330mm短く、25mm狭く、100mm低いことになる。
ホイールベースはどうか。フロンクスの2520mmに対して、WR-Vは2650mmと120mm長い。WR-V自慢の後席の広さは、このロングホイールベースのお陰といえる。
とはいえホイールベースは最小回転半径に影響する。実際、ホイールベースの長いWR-Vは最小回転半径が5.2mだが、対するフロンクスは4.8mに収まる。小回りのよさには車両の前後オーバーハングや見切り性も影響するが、フロンクスに一日の長があることは間違いないだろう。
いっぽう荷室容量ではWR-Vに軍配が上がる。ボクシーな車型もあいまって、WR-Vの荷室容量は458Lとデカい。これはヤリスクロス(390L)やヴェゼル(404L)はもちろん、ハリアー(409L)も上回る数値だ。
対するフロンクスはインドの公称値ながら308Lと小ぶり。クーペSUVならではの割り切りと言えるかもしれない。
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■フロンクスのACCは全車速対応
続いてパワートレーンや装備面をチェックしてみよう。
WR-Vのパワーユニットは、1.5L直列4気筒のガソリンエンジンにCVTの組み合わせ。いっぽうのフロンクスは、1.5L直列4気筒マイルドハイブリッドに6ATが組み合わされる。フロンクスのWLTCモードが非公表のため断定はできないが、フロンクスの優勢が予想される。
駆動方式だが、WR-VがFF一本槍なのに対し、フロンクスが4WDをラインナップする点は大きな違い。降雪地に暮らす人やウインターレジャーに出かける人には大きな味方となるだろう。
装備面はどうだろう。注目したいのがパーキングブレーキの区分。WR-Vがレバー式なのに対し、フロンクスは電子式だ。
このパーキングブレーキの違いが、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)にも影響を及ぼしている。WR-Vでは時速30kmを切るとACCがキャンセルされるが、フロンクスでは全車速対応となる。渋滞時のノロノロ運転などではありがたみを感じるはずだ。
もう一つはカーナビだ。WR-Vはナビレス仕様(Honda CONNECT for Gathers+ナビ装着用スペシャルパッケージに対応し配線済み)なのに対し、フロンクスは9インチのメモリーナビが標準装備されるのだ。
ナビの装着は車両価格にも大きく影響するため、一概に良いとはいえないが、車両価格を比較する際は、この点を頭に入れておいたほうがいいだろう。
この他細かな点では、前席のスマホ接続でフロンクスがUSB-Cに対応するのに対し、WR-VはUSB-Aであったり、後席のアームレストはWR-V(ZとZ+)が標準装備なのに対し、フロンクスには用意されないといった相違点が見つかった。
いかがだろうか。WR-Vとフロンクス、どちらもインド製となる同郷の2台だが、比べてみるとさまざまな点で違いを打ち出している。双方の特徴をしっかりつかんで、用途にマッチした1台を選んでほしい。
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