元日には能登で、そして4月には台湾と愛媛でも大地震が発生するなど、2024年に入って大きな地震のニュースが多い。停電やガソリン不足、最悪自分の住んでる地域の道路が寸断されて孤立なんてことも。そんな時に電動化車両があれば話は変わってくるのか?

※本稿は2024年3月のものです
文/国沢光宏、写真/MITSUBISHI、TOYOTA、LEXUS
初出:『ベストカー』2024年4月26日号

■災害時に頼れる電動化車両

行楽の際にはお湯を沸かしてお茶を飲んだり、災害の際には電力復旧までの非常電源として、電動化車両は頼もしい存在だ

 電動化車両は災害時に役立つか? もう迷うことなく「Yes!」と答えたい。

 2011年に発生した東日本大震災の際、日本の広域でガソリン不足が発生した。当時を思い出すと、東京ですら大幅に交通量減り、朝夕も渋滞しなかったほど。被災地に行けば並んだってガソリンを買えなかった。そんな状況が10日間以上続いたように思う。この時期、私は普通にクルマ移動だった。

 なぜかといえば、発売されたばかりのリーフに乗っていたからだ。

 こう書くと「計画停電になるくらいで電気も足りなかったのでは?」と思うかもしれない。そのとおりで、東京電力管内は原発が止まったり被災したり爆発したりして、電力不足になった。けれど足りないのは昼間だけ。夜間の電力、余裕ありました。電気自動車へ充電したって何でもないほど。

 その後、ハイブリッド車に100V電源を取り出せる機能が出てきた。ハイブリッド車、大容量の電気系を持つ。普通エンジン車もシガーライターから電気を引き出せるけれど、パソコンや電気毛布を使ったらオシマイだし、常時エンジン掛けてないとならない。

 ハイブリッド車の大容量電池なら、交流1500Wをエンジン掛けたり止まったりしながらガソリンがなくなるまで引き出せる。

 これだけあればTV見ながらホットプレートで焼き肉しつつ、消費電力少ないLED照明など使えてしまう。

 実際、その後に発生した北海道の地震の時や、南房総で大きな被害を出した台風による長時間停電の時もハイブリッド車は大いに役立った。電気さえあれば家のエアコンを稼働させ、暖房や冷房すら可能。100Vを引き出せるハイブリッド車を持っていたら、非常電源を確保したのと同じ。

 電気自動車ならどうか? 今までの自然災害を見ると、電気が一番早く復旧する。そういった意味だと電気自動車はハイブリッド以上に強い。ハイブリッド車、ガソリン補給しないと発電できなくなっちゃいますから。

 長時間にわたる停電がなければ、電気自動車が便利。しかし! さらに強烈な自然災害対策車もあります。PHEVだ。電気があれば充電して走れる。ガソリンがあれば電気が作れる。

 ということで電動化車両は自然災害に極めて強いと考えていいだろう。

 参考までに書いておくと、100V電源を取り出す機能のないハイブリッド車や電気自動車も、バッテリー端子に大容量のインバーター(直流12Vを交流100Vに変換する機器)を繋ぐことで直流1300Wくらいなら引き出すことができる。ググると情報出てきます。覚えておくと便利。

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